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オランダで最も健康的な市はフローニンゲン。不健康なロッテルダム
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エンジニアリング・コンサルティング会社アルカディスが行ったオランダ25市町村の健康度調査によれば、フローニンゲン市がトップとなった。

調査はオランダ国立衛生環境研究所(RIVM)が定めた5つの健康指針に基づくもので、周辺の建築物、自転車や歩行者に優しいか、公共交通機関が充実しているか、健康的な野外が十分あるか、大気、騒音そして社会的な交流などが考慮さえている。

調査の結果トップがフローニンゲン、次にエメンとアペルドールンが続く。アムステルダム、ザーンダム、そしてロッテルダムは下位となった。ユトレヒトは14位そしてハーグは16位だった。ただどの都市も2年前に比べると健康度は上がっているという。コロナ禍でロックダウンの中、散歩やウォーキングを楽しむ人が増えた。このため野外の公共の場所が改良されてきた。またどの都市も緑を増やす努力をしてきたという。

以下がランキングである。
フローニンゲン、エメン、アペルドールン、ナイメーヘン、マーストリヒト、アルメール、アメルスフォールト、ハーレム、エンスヘーデ、ブレダ、アーネム、アイントホーフェン、レウワールデン、ユトレヒト、テルネウゼン、ハーグ、ティルブルグ、アムステルダム、ザーンスタット、ロッテルダム


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ロシアのガス依存を減らすには。フローニンゲンのガス田再開は?
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ウクライナ戦争でロシアからのオランダへのガスの供給が問題化している。今のところ供給は滞っていないが、ガス料金は急激に上昇している。さらにロシアに対する制裁措置の報復としてガスの供給が止まる可能性もないわけではない。オランダや欧州各国は他の供給ルートを探っている。

オランダで使用されるガスの15%がロシアからだが、ドイツなど他国ではこの依存度はもっと高い。欧州全体ではガス供給をロシアからの輸入に約40%依存しており、その大部分はパイプラインを経由している。オランダの国営ガス企業ガスユニー(GasUnie)はドイツと協議した結果、ロシアの天然ガスへの依存を減らす計画に乗り出した。液化天然ガス(LNG)の輸入に力を入れ、ドイツに貯蔵ターミナルを建設するなど早期の実施実現が期待されている。またドイツのWilhelmshaven とBrunsbüttelに建設計画のLNG貯蔵ターミナルは今年中には建設に着工できそうだ。Brunsbüttelでは未来のエネルギーである水素の貯蔵も計画されている。
現在LNGを輸出しているのは米国やオーストラリアなどだ。

実はオランダには2兆7,400億立方メートルの天然ガスを獲得できるこのガス田が北西部のフローニンゲン州にある。これはヨーロッパで最大の天然ガス田であり、世界でも最大級なのだ。しかし近年の採掘による地震と家屋の損傷が問題化し、今年から採掘を停止するという決定がくだされていた。政府はこのエネルギー危機でもガス採掘の再開はしないと発表している。ただ国民の38%が再開を望むという調査の結果も出ている。
(画像:2014年National Geographic、ロシアからのガスと石油)

フローニンゲン、オランダで最も大気がきれいな都市
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オランダの都市で大気の質が最も高いのはフローニンゲン市である。欧州環境機関(EEA)が欧州各国の都市における大気汚染に関する調査を行った結果である。最も空気がきれいなのはスウェーデンのウメア (Umeå)市。逆に最も大気汚染が進んでいるのはポーランドのノビソンチ(Nowy Sacz)である。EEAは、ヨーロッパの323都市の測定ステーションからのデータを使用して、粒子状物質と二酸化窒素の量を調査した。

オランダではフローニンゲン市が欧州で32位と最高位。オランダ国内の5万人以上の都市9市の中ではアムステルダムが一番大気汚染が進んでいて、欧州では182位となっている。次に汚染がひどいのがナイメーヘン市(136位)である。ナイメーヘン市が2018年にヨーロッパのグリーン・キャピタル(緑の首都)に選ばれているというのは皮肉である。この調査によれば、ハーグ、デンボス、ヘールレン、エンスヘーデ、ブレダ、ユトレヒトそしてロッテルダムの大気は、良い部類に入っている。

このリストで下位にランクされているのは、イタリアやポーランドの工業都市である。オランダはこれらの都市と比較するとそれほど悪くはないし、90年代よりずっと改善されているという。一番の要因は車の排気ガスによる汚染の減少だ。ただし改善の余地はまだまだあるという。

オランダ経済相、フローニンゲンのガス採掘量を半分に減産。地震被害も賠償に
オランダ政府は、フローニンゲン州におけるガス採掘量を現状の半分である120億㎥まで減らすと1日発表した。ヴィーベス経済相は半減までに要する期間については明言してないが、おそらく数年かかると見られる。フローニンゲン州ではガス採掘による地震が続いており、家屋やビルの破損被害が出ていたが、これまで政府はガス採掘と地震との関係を認めず損害賠償も行ってこなかった。

地震による被害多発にもかかわらず、減産に踏み切れなかった背景には、オランダのエネルギー供給源の40%がフローニンゲンで採掘される天然ガスによるものだということがある。国内産ガス供給がカットされると必然的にロシアやノルウェー産のガスあるいは高価なLGPに依存せねばならなくなり、これまで減産に踏み切れなかった。ヴィーベス大臣は、今回の決定は大きな前進であり、早急に実施したいと意欲を示している。

採掘を行っているガス企業NAM(シェルとエクソンモービルが母体)は、徐々に減産するにしても需要に追いつけるかどうかは、気温の変化による需要にもよるとしている。
オランダは過去数十年間にわたり、国産の安い天然ガスによるエネルギー供給を享受してきた。家庭用の暖房だけでなく、産業用の電気やエネルギーの確保が廉価でできることで競争力もつけてきた。しかし欧州連合最大のガス供給国と名を馳せていたオランダも2013年までにすでに60%も減産している。

シェルは1日夜、これまでの地震による被害額を支払うことに同意した。

フローニンゲンで大きな地震、原因であるガス採掘を積極的に削減と経済相
オランダ北部フローニンゲン州で月曜日午後15時ごろマグニチュード3.4の地震が発生した。2012年以来最大規模の地震で、被害届けは約300件に及んでいる。オランダでは基本的に地殻変動による地震は発生しないが、フローニンゲン州の地震は天然ガス採掘が原因で、これまでにも数回家屋に損傷を与える地震が起きている。

今回の地震発生を受け経済省のウィーブス大臣は、今期政権中にガス採掘量をできるかぎり縮小すると発表した。これまでの公約にとらわれることなく、最大限の縮小を狙うという。政府は2021年までにこれまでの216億㎥から200億㎥まで縮小すると公約しているが、ウィーブス大臣はこれをさらに推進したい意向。「オランダは天然ガス依存から脱出すべき」だという急進的なコメントも発表している。

フローニンゲン州では2017年だけでマグニチュード1.5以上の地震が18回起きている。地震の原因となっている天然ガス採掘を行っているのはNAM(De Nederlandse Aardolie Maatschappij オランダ石油会社)。オランダ国内外で石油と天然ガスの採掘を行っている。オランダで使用される天然ガスの75%がNAMから供給されている。93%のオランダの家庭では天然ガスを利用しており、全エネルギーの45%は天然ガスと、オランダでのガス依存度は極端に高い。このため急激な減産は無理というのが現状だ。

デビッド・ボウイの訃報で、展覧会開催中のフローニンゲン美術館、休館日の本日も開館
昨年12月の初めからフローニンゲン美術館ではデビッド・ボウイ大回顧展を開催している。本日報じられたボウイ氏の訃報で、通常月曜日は閉館している美術館も特別な配慮で午後から開館することになった。「今ボウイ氏の冥福を祈る場所としては最適」だと、急遽開館を決定した同美術館長は自負している。

デビッド・ボウイ大回顧展「David Bowie is」はロンドンのビクトリア・アンド・アルバート美術館を皮切りに、パリ、シカゴそしてトロントを巡り、現在オランダのフローニンゲンで開催中である。
同展ではボウイの生涯をマルチメディアを駆使し紹介するもので、手書きの歌詞、衣装、写真、舞台セット、アルバムのアートワークなど約300点が展示されている。ボウイの世界観そして彼が現代のデザイン、ファッション、文化にどんな影響を与えたかを俯瞰することができるこの展覧会は3月13日まで。

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