オランダ、トランスジェンダー法の改正へ

下院は今週火曜日と水曜日に「トランスジェンダー法」の改正について討議する。改正されると法的な性別の変更が容易くなる。さらにこれまでのような心理的苦痛を強いられる手続きを踏むことが少なくなる。

自分の生まれたときに医師により観察された性が、自身のジェンダー(性別)表現と異なる場合には、まずジェンダーポリ(性別クリニック)に申請する。ただそこで実際に面接に至るまで最低でも1年かかる。そこから公式な書類で別の性に変わるまでかなりの時間がかかるだけでなく、多くの障害に直面する。パスポートやIDの性別が違うため、病院や国境などで止めらたりする。また常時専門家による「性転換証明」を持ち歩かねばならない。その中には人格障害に関する項目も含まれる。

LGBTQの権利がかなり拡大しているオランダでもトランスジェンダーに関してはまだ法的に整備されていない。今回の議会で改正法が通ると以下が可能となる。
・法律上の性別を変更するのに、専門家からの声明は不要になる。
・16 歳までの若者が法的な性別を変更することも可能になる。ただし裁判所での裁定が必要。
・申請はこれまで出生した市町村となっていたが、今後は現在住んでいる市町村で可能となる。

性別の変更申請時の専門家による宣言書は、ノルウェー、アイルランド、マルタ、アルゼンチンなどですでに不要となっている。オランダ人権研究所はこれを強調し、修正されたトランスジェンダー法を採用することを勧めている。