オランダにもゴールデンパスポートがあるのか?

オランダへの移住は、日本人に関しては起業ビザという制度がある。しかし、他国からの移住に関してはこの制度は適用されていない。これに対しポルトガルやギリシアは、超富裕層や資産家にいわゆる「ゴールデン・パスポート」を発行して移住を可能にしている。オランダにもこのような制度があるのだろうか? オランダから外国へ出ていく富裕層と入ってくる富裕層を見ると、今年だけでプラスマイナス350人の億万長者がオランダに増える見込みだ。富裕層向けの移住コンサルタントであるヘンリー&パートナーズ(Henley and Partners)によれば、「昨年オランダに移住した億万長者が多い。とくにブレグジットのせいでイギリスからの移住者が増えている」

同社の調査によれば、世界で年間15万人の「グローバル・シティズン」と呼ばれる億万長者が移住している。特にロシア、中国そしてインドでは富裕層の流出が目立つのに対し、アラブ首長国、オーストラリア、そしてシンガポールへの流入が増えている。とくにウクライナでの戦争により、ロシア人のドバイへの移住が増えている。

オランダにも富裕層を優遇する「ゴールデン・ビザ、パスポート」のような制度があるのだろうか? 特別な制度はないが、オランダに125万ユーロ投資すれば滞在許可を得ることが可能だ。投資は不動産は除くのと、かなり厳しい資格審査があるため、ポルトガルなどに比べると障壁は高い。ただし、オランダには「高度なスキルを持つ人の移住制度(Kennisimigrantenregeling)」という「裏口」がある。この制度がかなり悪用されていることが最近の調査で明らかになった。(リンクの記事) 実際にこの制度を悪用し、オランダ国内でスパイ行為を行うロシア人と中国人が見つかっている。

欧州で超富裕層に滞在許可(ゴールデンビザ、ゴールデンパスポート)を発行している国でポルトガルとギリシアがトップである。ポルトガルは今年の5月だけで119人の外国人を受け入れている。このうち中国人が17人、ブラジル人が10人、そしてインド人が7人となっている。50万ユーロ以上の不動産をポルトガルに買うという条件でビザが買えるのである。このビザで5年間はシェンゲン協定国内を動くことができる。マルタも同様で、ここではすぐにパスポートが取得できる。これらの国が欧州委員会では頭痛の種となっている。

ゴールデンパスポート