安全性の懸念から中国への依存を段階的に減らす

オランダそしてEUが、中国への依存度を減らそうと呼びかけているが、その声はますます高くなっている。中国の経済的威力が増大していることでセキュリティのリスクが高まっている。オランダ中央計画局(CPB)と中央統計局(CBS)の調査の結果だが、貿易を減らすとなるとあらゆる面でのコストが増大するというジレンマに直面する。このため段階的に依存度を下げる方針だ。

オランダ政府は、北海の電力インフラ建設の入札から中国を締め出した。中国がパイプラインの中にセンサーを隠す可能性があるという懸念からだ。センサーで機密情報にアクセスすることが可能である。オランダと中国の相互関係について安全保障上の懸念が生じたのはこれが初めてではない。

ただ中国への依存度を下げるということはコストの増加を意味する。2020年オランダの輸出高は中国との共同体制で2.6%上がり、66,000人の雇用を増やしている。協力体制を中止することは大きな打撃となる。また新しいサプライヤーの選定や中国の生産から手を引くことは、一時的な移行コスト増大につながる可能性がある。

オランダと中国のコラボレーションは、主にコンピューターチップ用の半導体に焦点を当てている。世界的にトップの地位にあるオランダのASMLとNXPを使用することで、ここには多くの大手チップ企業が存在している。しかし、これらの製品にはセンサーが設置されているため、セキュリティの問題がある。「オランダは地政学的リスクと段階的廃止のコストを比較検討しなければならないだろう」