政府、中間所得者用住宅用家賃に制限か

オランダの賃貸住宅は、政府の補助が出るソーシャルハウスと一般の民間賃貸に分かれている。前者は所得制限があるが、民間の賃貸住宅は誰もが入居できるが家賃に規制がないため、高騰が続いている。これに対し、政府は自由セクターといわれるこの中間所得者用住宅の家賃の制限に乗り出す。オランダで一番住宅難で困っているのは、この中間所得層。ソーシャルハウスに入居するには所得が高すぎるのと、この層のための住宅が大幅に不足している。

政府の提案では、いわゆる自由セクターの家賃がソーシャルハウス(家賃の上限は763ユーロ)と同様なポイント制になる。ポイント制とは、住宅の広さ、部屋数などで決まるが、144ポイントまでは、再考で763ユーロに制限されている。
現在住宅省のデ・ヨング大臣が計画しているのは、中間所得者用住宅の家賃をで1000ユーロ(187ポイント)からの1250ユーロ(232ポイント)内に収めること。このポイント内に90%の賃貸住宅が含まれるはずだという。

このシステムが導入されると、家主は家賃を自分で決めることができなくなる。現在、住宅不足が反映され家賃が大幅に上がっているが、大臣によれば政府がこれに思い切って介入するのだという。

しかしこの制度がいつからどのように実施されるかはまだ決定していない。大臣は夏以降に議会で検討し法定化を進める予定だ。法定化されると、各市町村は賃貸住宅がポイント制を遵守しているかを管理することになる。この制度は家賃の高騰を防ぐという目的があるが、同時に年金基金など住宅に投資している企業も守らねばならないというジレンマも発生する。そのほかにも現在の家賃はどうなるのか、どの地域の住宅に適用されるのかなど、解決しなければならない問題は山積みである。実際にこの法律が実施されるのは2024年以降になりそうだ。