オランダの教師不足深刻、教育水準も下がる?!

オランダの教師不足は深刻である。教師が足りないため閉鎖する学校も出ている現在小学校で働く教師は12万9千人。中高等学校では7万5千人が働いている。教師の退職などで空きが出ても小学校の場合には56%を埋めるのが難しいという状態だ。中高の場合はこれが37%となっている。学校では緊急対策としてインターンやアシスタント、ときには両親を教壇に立たせるなど、なんとか空きを埋める努力をしている。

オランダの学校が直面する問題は、この教師不足、授業の内容、そして政府の対策であるという。今回はこの教師不足問題。

教師の質は子供の教育そして将来に最も影響を与えるといっても過言ではない。それはモンテソーリやイエナといった特殊教育でも通常の教育でも共通して言えることだ。最も教師不足が深刻なのは、大都市で貧困な家庭が多い地区であるが、他の地域でも問題は広がっている。週に5日の学校を4日にして、残りは家庭学習にするという学校も出てきている。政府は教師不足解消のために85億ユーロの予算を計上した。大都市での教師不足は深刻で、アムステルダムで13%、ハーグで15%に及んでいる。

教師不足の原因は給与が低いこと、そして小学校と中高等学校の教師の給与の差が大きいことが上げられる。そして、おびただしい量のペーパーワーク。これは通常の企業では見られないほどの量だともいう。
教師の質も問題化している。オランダでは教師養成学校(高校)出、大学で教育専攻した人、修士保持者などいろいろな背景を持つひとが教師をしている。それぞれ長短はありどれが一番いいとは言えないが、教師養成を専門とする高等教育機関の設置も必要だという声もある。