オランダは犯罪組織に牛耳られているのか

火曜日夜に起きた犯罪捜査ジャーナリストの銃撃事件について、コメントを求められたフラッパーハウス司法大臣は、憤りと困惑が混ざり言葉少なげだった。オランダは年々激しさを増す地下犯罪組織のドラッグ戦争に直面している。アメリカのドラッグ戦争のような戦いが、オランダのマフィアによって日々繰り広げられているのだ。これまで一般人は巻き込まれなかったので、大きなニュースにはならなかったのだが、2019年に事件に関与していた弁護士が殺害されてから明るみに出てきた。殺害されたヴィエルスム弁護士は、ドラッグ犯罪組織によるマレンゴ事件の証人の弁護をしていた。これまでオランダでは組織による司法への攻撃はなかった。

前政府はドラッグマフィア撲滅のために1億ユーロの予算を計上し、警察、税務署、税関など複数の組織が共同で戦うシステムを作り上げた。しかし、この予算内でマフィア撲滅に成功していない。オランダは米国のドラッグ犯罪撲滅組織DEAのモデルを採用しようとしたが、警察の人員不足による抵抗にあっている。

オランダはコカインの取引におけるメインポートになりつつある。ロッテルダム港での大量のコカイン発見、アールスメール花市場を通してのコカイン取引、そして東部の農家への嫌がらせまで、マフィアによる犯罪はとどまるところを知らない。

2020年だけでドラッグ関連の殺人事件は115件。弁護士に続きジャーナリストへの攻撃が起きた今、オランダは犯罪組織撲滅にさらに投資をするだろう。しかし、コカインやクリスタルメスといったドラッグの需要は高く、貧しい家庭で育った若者が犯罪組織へ入るというルートがある限り、いたちごっこに終わる可能性もある。
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