オランダの食肉処理場、動物虐待で閉鎖

先週2日オランダのエープ(Epe)にある食肉処理会社ホスハルク(Gosschalk)での動物虐待の映像がRTLテレビで放映された。動物保護団体のメンバーが、覆面でこの処理場で働き現場を隠しカメラで撮影したものである。豚がパドルで頭を激しく殴られたり、5000ボルトという高電圧で脅されたりする映像が流れた。同日、農業省のスハウテン大臣は実情を把握するまで営業停止の命令を下した。

オランダは食肉が安い。この安さと動物虐待は関係しているのだろうか? この会社による虐待は特別なケースなのだろうか? 

素性を隠しこの食肉処理場で働き、動画を撮影した動物保護団体「豚の危機(Varkens in Nood)」によれば、このような虐待は近年稀であるという。オランダ食品消費者製品安全庁(NIWA)や別の動物保護団体アイズ・オン・アニマルズによれば、今回ほどひどい虐待の例は明るみに出ていないが、より頻繁に発生する可能性は排除していない。屠殺会社は閉鎖的な企業文化を持つため、政府が実情を把握できない場合もある。

大臣は「虐待は容認されず、この食肉処理場または他の食肉処理場で虐待が再び発見された場合、NVWAは再び確固たる行動を取ることを躊躇しない」と議会に通知した。覆面で現場で撮影した動物保護団体のメンバーは、面接時に「1分の作業の遅れが100ユーロのコスト増となる。」と言われたという。改善するには、食肉処理場の速度を落とさねばならないことは確かだ。そしてこれを実施すれば、最低でも2%価格が上昇する。これは消費者が払わねばならないコストである。食肉処理場の監督を担当しているNVWAは、監視カメラを増設したり、スタッフのトレーニングを行うことが必要だとしている。

コンサルタント会社のデロイトは11月の調査で、NVWAの人員が不足しているため、タスクの3分の2が不足していると結論付けている。デロイトによると、動物福祉の分野における最大の問題は、食肉処理場の監督にあるという。

隠しカメラによる映像 (視聴注意)