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アムステルダム市長、過去の奴隷制度に謝罪
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アムステルダム市のハルセマ市長は木曜日、過去にアムステルダム市が行ってきた奴隷制度に対し謝罪を発表した。最近オランダでは、アムステルダム国立美術館で「奴隷制度」という展覧会が開催されたり、美術館・博物館が植民地から搾取してきた展示品を返還するなど、過去の奴隷制度に関する反省や批判が高まっている。

奴隷制度というと米国のものというイメージが強いが、実は奴隷貿易や植民地での奴隷強制労働で富を築いたのは「黄金時代」を謳歌したオランダも例外ではない。アムステルダムの運河沿いの豪邸は奴隷貿易やプランテーションで富を築いた商人のものだった。

市長のスピーチによれば、1500年から1880年の間に、少なくとも1,250万人が大西洋奴隷貿易の犠牲になっている。オランダ人商人によりアフリカから連れさられ、名前、歴史、アイデンティティを奪わた。屈辱を与えられ、殴打され、殺された。オランダの南米植民地であったスリナムでは奴隷を使ったサトウキビなどのプランテーションが作られ、生産物はオランダ商人が世界中で取引した。17世紀世界で最も裕福だったオランダは奴隷の貿易と搾取で富を築いたと言っても過言ではない。18世紀には、経済成長の40%が奴隷制によるものだったという。

その中でもアムステルダム市は中心的な役割を果たしていた。1578年から1795年の間に市長となった139名の半数は、東オランダ会社と西オランダ会社の取締役や南米の植民地スリナムの支配者であった。

アムステルダム市はオランダで最初に奴隷制度に対する謝罪を行った市だ。米国ではいくつかの州が謝罪をしているが、世界ではロンドン、リバプール、ガーナ、そしてベナンなどが奴隷制度に関わったことを謝罪。ただオランダ政府は、過去の奴隷制度に対して国家レベルでの謝罪を避けている。
(画像:Slavenij, Rijksmuseum)


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アムステルダム国立美術館で「奴隷制」についての展覧会
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今春アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)で奴隷制にかかわる作品や物の展覧会が開催される。オランダの植民地となったブラジル、スリナム、カリブ諸島、南アフリカそしてアジアに焦点を当てている。
オランダが植民地を支配していたのは250年にも及ぶ。植民地で巨額の富を築き世界で最も裕福な国となった17世紀のオランダ黄金時代、この裏にはオランダ人商人が大きく関わっていた奴隷売買がある。スリナムやブラジルはアフリカから連れられてきた人を北米に運ぶための中継地となっていた。
この展覧会は、実際に奴隷となった人々、奴隷を使った人々、反乱を起こした人々、そしてオランダに奴隷として連れてこられた人々のストーリーである。展示されるのは、世界各国の美術館や博物館から貸与されたオブジェクトや絵画そして書簡る。オランダで奴隷制が廃止されたのは158年前の1863年である。

黄金時代のオランダのアートを展示しているアムステルダム国立美術館にとって、この展覧会は勇気ある試みである。

なお、オランダ時間15時(日本時間23時)にclubhouseにて「オランダの美術館では何が起きている?」というテーマでEmiko Chujoさんにお話を伺う。その際にもこの展覧会について触れていただく予定。

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