ディル・アンド・カミーユ、助成金を返上

オランダに住む日本人の間でもファンが多いキッチン、バス用品小物などを販売する「ディル・アンド・カミーユ(Dille & Kamille)」が、コロナ禍の間に受け取った給与補助金を政府に返上すると発表した。CEOのハンス・ヘールス氏がソーシャルメディアのLinkedInで書き込んでいる。金額は書かれていないが、数10万ユーロ(数千万円)に上るという。

ディル・アンド・カミーユはコロナ禍によるロックダウンで大きな打撃を受けた。昨年の第1四半期には「NOW」と呼ばれる従業員給与補償金を政府から受け取っていた。ところがその後オンラインによる販売が好調でウェブでの売上はこれまでの3倍に達した。全体での売上も10%上昇という結果となった。

ヘールス氏は「政府から助成金を受け取る権利はもちろんある。しかしこの売上増加で業績が順調となっているので、返上することに決めた。」とし「もちろん、余剰金で投資し、事業を拡大し雇用を増やすことも可能だった。だが、助成金で企業の私腹を肥やすのは正しくないという判断から今回の返金を決定した。」とコメントしている 雇用保険局(UWV)の数字によれば、返金額は690,000ユーロ(約1億円)と推定される。

6月初頭にはBooking.com社が政府から受け取った1億1100万ユーロのうちNOWの6500万ユーロ(90億円)を返済すると発表している。同社は複雑な税回避システムを利用し、オランダ国内では税金を1ユーロも払っていないことや、ロックダウン中に役員に2600万ユーロ(30億円)のボーナスを支払うなどで、国民からの非難を受けていた。