オランダ下院議長選出、モロッコ系のレズビアンというレッテルを嫌う

7日オランダ下院議会の議長選挙で選出されたのは、民主66党のフェラ・ベルグカンプ(Vera Bergkamp)。2012年から下院議員として議席についている。議員になる前にはCOC(性的マイノリティLGBTQ権利組織)のトップを務めていた。ただし、性的マイノリティの権利だけでなく、広義での個人の自由を守るために社会に貢献したいというのが、彼女が議員となった理由である。

これまで議員として、代理母制度、複数親制度、性転換者への差別廃止、不要な性別表記の撤廃、同性愛者治療の禁止などを法定化してきた。これ以外にも大麻の合法化を提案し、現在上院で討論中だ。

ベルフカンプの父親は17歳のときにモロッコを出て、オランダに来る途中に彼女の母親となるオランダ人女性にパリで出会い結婚する。ベルフカンプがオランダ性を名乗るのは、単にモロッコの名前がややこしく発音しにくいという理由で20歳のときに母親の名前に変更したからだという。レッテルを貼られるのが大嫌いで「自分はレズビアン、モロッコ人のハーフだが、女性であり人間、そしてアムステルダム人で世界人」だと述べている。下院にはエスニック系議員のリストがあるというが、彼女は自分はオランダ国籍を持つオランダ人だと主張している。

これまで議長を務めてきたのも、モロッコ系の女性カディジャ・アリブ(労働党)である。17党を代表する議員たちをまとめるのは女性が適しているに違いない。

(画像:D66、カーグ党首がベルフカンプを祝福)