コロナウィルスでテレビ局、広告業界にも打撃

オランダのテレビ業界は広告出稿の相次ぐキャンセルで苦境に立たされている。さらに番組制作も滞っており、巨額の損失が予測されている。

SBS6などを抱える民放局Talpaは人員削減を計画。公営放送局の広告枠を管理するSTERも広告収入が数十%減っていると報告している。コロナウィルス感染拡大で打撃を受けている飲食業、旅行業、ホテルといった業種は当然のこと、この時期に適切ではないという判断から広告を取りやめる企業も続出している。

広告出稿を大きく減らしているのが大手スーパーマーケットのアルバート・ハイン(AH)。定期的に行われる格安商品のキャンペーン「ハムスターウィーク」の広告を一切取りやめる決定をした。アルバート・ハインのマスコットであるハムスターは、オランダ語の買い占め・買いだめ(hamsteren)を意味する。買いだめが禁止されている現状で、このハムスターウィークは適さないという判断である。

また、ユーロソングフェスティバル、フォーミュラ1,サッカー欧州選手権などの大きなイベントが中止となったことで、広告業界は大きな痛手を被っている。テレビ局の番組制作も滞っており、長年続いたシリーズを取りやめたり、遅らせたりしてしのいでいる。一方、ウェブ広告はまだ順調である。さらにネットフリックスのようなストリーミング・サービスのオランダ版であるビデオランドの会員もうなぎのぼりだという。