景気のいいオランダで50万世帯が貧困

オランダ経済は好調だが、2018年には約50万世帯の所得がいわゆる貧困線以下であった。これはオランダ全世帯の7.9%に当たる。中央統計局(CBS)が発表した最新の数字によれば、23万2千世帯が4年以上続いて貧困状態にあるという。これは全世帯の3.3%にあたる。

中央統計局の依頼により計画局が今後の予測を立てたところ、今年(2019年)は貧困世帯率は昨年より若干下がり7.4%そして2020年には6.6%にまで下がりそうだ。オランダの貧困線は月の所得(税引き後)が
一人住まいで1060ユーロ以下、一人親で子供2人で1600ユーロ以下、両親と子供2人で2000ユーロ以下を指す。

生活保護、就労不能保障金、失業保険などの受給者は貧困に陥りやすい。また給与生活者で貧困線以下の所得の人は2%にすぎないが、個人事業主の場合はこれが10%に上る。

西欧以外からの移住者はオランダ人に比べ貧困に陥るリスクが高い上、長期的に苦しむことが多い。とくにシリアやエリトリアなどからの難民は、支援金を受けているが貧困に陥ることが多い。

地域的にはロッテルダムに住む子どもたちの貧困率が高い。とくにひとり親の場合に顕著である。このほか、アムステルダム、ハーグ、デルフゼイ、ヘールレンでの子供の貧困率が高い。

CBS統計