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世界経済フォーラムの統計でオランダの競争力世界4位、欧州トップに
オランダの経済競争力は欧州でトップ、世界で4位。世界経済フォーラム(WEF)が8日発表したランキングでは、ドイツとスイスを抑え欧州でトップに登った。世界ではシンガポール、米国、そして香港がオランダの上位にある。このランキングによれば、オランダが上位に来たのはは、企業設置の容易さ、急速に発展するイノベーション企業の多さ、そしてインフラの整備といった点が上げられる。

さらにオランダの教育が企業家精神養成に目を向けている点を上げている。これは大学だけでなく中高等教育レベルでも同様だという。また政府の安定した財政状況や強力で公正な司法制度も競争力を上げる一端となっている。そしてなによりも、労働力の質の高さがある。

しかしオランダ経済も良いことづくめではない。弱点もある。例えば長期的な視点に立った技術発展計画だ。研究開発への投資、ICTや技術発展は金額的に見ると、ドイツ、スイス、そして米国に大きく水を開けられている。例えば人工知能(AI)の分野ではオランダは乗り遅れた感が否めない。オランダ政府の研究開発費負担はGNPの2% これに対しドイツでは3%と差がある。
このランキングによれば、5位はスイス、6位が日本、7位がドイツとなっている。


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「アジェンダ文化」がオランダ経済を救う?
オランダにやってきた外国人(そして日本人)がまず驚くのは、なんにでも予定を入れること。コーヒーをいっしょに飲みに行くアポ、子供が放課後にいっしょに遊ぶアポ、数え上げたらきりがない。何かをしようとするときに、いつでも「じゃあアポをとろう。スケジュールを決めよう。」というのが決まりの国民だ。そしてアポや約束事があったら守るというのも国民性だ。Rabo銀行の経済部トップのメノ・ミデルドルプ氏によれば、この「アジェンダ文化」がポストコロナ時代にぴったりだという。

動物園に行こうとしたら、予約制で午後の遅い時間になった。でも人混みを避けてゆっくりと回ることができた。理容室も予約制なので長いこと待つ必要はなかった。とミデルドルプ氏。ただ、これからレストランに行こうとウェブサイトを見ると行きたい日時は一杯でなかなか予約がとれない。レストランに一度に入れる人数の制限もあるし、テーブルとテーブルの間を1.5メートル開けねばならないというルールもある。これまで金曜日の午後7時に50人の顧客を入れていたレストランも30人しか予約を入れられない。
しかし、これはある意味チャンスなのでは? と同氏。
これまでピーク時にのみたくさんの人が予約していたが、これができなくなると、例えば午後4時に夕食予約をしたり、月曜日の午後10時に入れるしか選択の余地がなくなる。これは、1日の予約時間帯を広げるということで、これまで人が来なかった時間にも予約が入るということでレストランにとってはプラスなのだ。

ただし問題は顧客側。午後4時に夕食を食べる気がするかどうか。わざわざこの時間に行くメリットもあまりない。
そこでレストラン側は時間帯による価格差別化をすればいいのだ、とミデルドルプ氏はアドバイスしている。ホテルだってピーク時は高いけれどもオフシーズンは安くなる。同じことをレストランもすれば、オフピーク時にも予約が入るはずだ。オランダ人独特のアジェンダ文化はオランダ経済を救う可能性を秘めていると同氏のコラムは結んでいる。

コロナ危機によるオランダの経済と人々の暮らしへの影響
数週間前、まだコロナ危機が欧州やオランダで現実的ではなかった時とは一転し、飲食店は閉店、人々は在宅勤務となり、企業は規模にかかわらず売上が減り、株価は下降の一途をたどっている。いったいこの危機が継続するとオランダの経済や人々の暮らしはどうなるのか?オランダ国営放送(NOS)の解説である。

1.外出しないことで支出が減る。特に外食、リクレーション、電化製品、衣料への支出は激減するため、およそ1200億ユーロの損失が見込まれる。また各国の国境閉鎖で輸出にも暗い雲がたちこめている。花卉業界の売上は90%が輸出だ。

2.雇用の大幅な減少。企業の支出のうち人件費は平均70%を占めているが、費用削減の最も早い方法は人件費の削減。今一番打撃を受けている飲食業界だけで60万人が働いており、この半数はアルバイトや個人事業主だ。この人達は収入源を失う。当然ながら所得がなくなれば支出にも影響する。この下方スパイラル(悪循環)を打破するために、政府は月曜日数百億ユーロの救済パッケージ(バズーカ砲とオランダでは称されている)を発表している。

3.ユーロ圏では財政的に弱い国への打撃が大きい。イタリアやギリシアのように観光収入の財源に占める割合が高い国はとくに影響が大きい。これらの国々は、公的債務も高くほとんど返済できない状況だ。そして支払い金利が膨らみ財政的問題につながっている。この問題はユーロ圏を揺るがす可能性がある。オランダを含めた他のユーロ諸国や欧州中央銀行は救いの手を差し伸べることが期待されている。

4.銀行は持ちこたえられるのか? ABNAmro銀行は、2009年の金融危機ほどではないが景気後退が来ることを予想している。貸し出している企業が倒産した場合には政府が補償するため銀行は守られるはずだ。欧州中央銀行も金利の切り下げを実施したので、オランダの国内の銀行は低金利で資金調達が可能となった。これにより、銀行は企業や個人への貸出を緩和できる。かつての金融危機とは全く違った対応が可能というシナリオだ。

来年のオランダ経済やや減速、ドイツに足を引っ張られる
オランダ中央計画局(CPB)は、2020年の経済成長率が1.4%になると予測した。これまでの高成長がやや後退する予測で、来年度の予算や購買力に影響する。この減速の背景には外国の経済悪化が大きく影響しているという。購買力は、実質賃金の上昇と、やや程度は低いが政策措置の結果として、2020年も引き続き積極的に伸びる予想だ。 CPBは、政府予算にも余剰が出ると予想している。ただし黒字は今年よりは減る模様。

2019年の失業率は最低の基準に達したが、来年もさらに下がりそうだ。ただし労働供給の継続的な増加により、雇用の伸びは2020年に低下する。

水曜日に、2019年第2四半期のオランダの経済成長は0.5%とかなり良いと発表されているが、他のヨーロッパでは低い成長率が報告されている。隣国ドイツの経済は縮小している。ユーロ圏最大の経済は、特に外国貿易の減少の影響を受けている。ドイツの経済成長または縮小はオランダにとって伝染性であると言われているが、これまでのところまだその影響は表面に出ていない。

オランダ中央統計局のチーフエコノミストであるファン・ムリゲン氏は、「ドイツの産業は長い間業績を上げていないが、オランダの産業は回転し続けている。しかしドイツの不調が長く続くなら、オランダの産業が来四半期に縮小する可能性が高い。それが成長にとって何を意味するのかはまだ不明」とコメントしている。


オランダ経済絶好調、ただし欧州他国が不安材料に
オランダ経済は絶好調だ。オランダ中央計画局(CPB)によれば「経済は好調で、今年と来年の成長率はそれぞれ3.2%と2.7%と、欧州他国と大きく水をあけている。」
雇用の充実、可処分所得の増大、消費の拡大そして投資の増加と統計結果は良いことずくめだ。とくに失業率は2001年以来最低のレベルである3.5%にまで落ちている。今回の発表は今月末に行われる地方選で、現在の連立政権を優位に立たせる要因となるだろう。

世界的に好景気に湧く中、オランダもその波に乗ったが、この他にも2つの好景気の要因がある。不動産市場の爆発的な成長と拡大を優先する財政政策である。言い換えれば、政府財政支出の拡大だ。医療、介護、教育そして防衛予算を拡大したことが経済に好影響を与えている。
ルッテ政権は、数年間この中央計画局の統計を掲げ経済の好調を訴えてきたが、消費者はあまり実感がわかなかった。しかし今回の発表は実感を伴うものであるに違いない。

ただし、オランダ国内経済は好調ではあるものの、海外の経済の不確実性は軽視できないと中央計画局は警告している。イギリスのEU離脱と同国経済の悪化もそのひとつだ。ユーロゾーンの中でもいくつかの銀行の弱体化や欧州中銀の景気対策に効果が表れないことなどが不安材料となっている。今回の経済予測には反映されていないが、4日のイタリアの総選挙の結果も欧州経済に影を落とすことになるだろう。

オランダ経済相、フローニンゲンのガス採掘量を半分に減産。地震被害も賠償に
オランダ政府は、フローニンゲン州におけるガス採掘量を現状の半分である120億㎥まで減らすと1日発表した。ヴィーベス経済相は半減までに要する期間については明言してないが、おそらく数年かかると見られる。フローニンゲン州ではガス採掘による地震が続いており、家屋やビルの破損被害が出ていたが、これまで政府はガス採掘と地震との関係を認めず損害賠償も行ってこなかった。

地震による被害多発にもかかわらず、減産に踏み切れなかった背景には、オランダのエネルギー供給源の40%がフローニンゲンで採掘される天然ガスによるものだということがある。国内産ガス供給がカットされると必然的にロシアやノルウェー産のガスあるいは高価なLGPに依存せねばならなくなり、これまで減産に踏み切れなかった。ヴィーベス大臣は、今回の決定は大きな前進であり、早急に実施したいと意欲を示している。

採掘を行っているガス企業NAM(シェルとエクソンモービルが母体)は、徐々に減産するにしても需要に追いつけるかどうかは、気温の変化による需要にもよるとしている。
オランダは過去数十年間にわたり、国産の安い天然ガスによるエネルギー供給を享受してきた。家庭用の暖房だけでなく、産業用の電気やエネルギーの確保が廉価でできることで競争力もつけてきた。しかし欧州連合最大のガス供給国と名を馳せていたオランダも2013年までにすでに60%も減産している。

シェルは1日夜、これまでの地震による被害額を支払うことに同意した。