オランダ環境問題報告書で畜産農家が窒素排出の根源と指摘、農家は破産?

25日レムケス委員会窒素ガス排出報告書が公表された。これによれば、政府は早急にアンモニア発生源の畜産対策や自然保護地帯での制限速度を下げることが必要となる。畜産業の縮小とこれまで制限速度が130kmだった道路が120kmへと下げられる。

窒素ガス発生源の46%は畜産だと報告書は指摘し、自然保護地帯にある畜産農家は国が買い取るか廃業にするべきだとアドバイスしている。しかしながらこの勧告に従うとなるとオランダの畜産農家の半分が消え去ることになり、農家そして経済bへの大打撃となる。オランダの畜産は、生産量を最大にすると同時にコストを削減し、世界市場での競合に勝つという「典型的なオランダ農業モデル」を基礎としている。窒素(アンモニア)排出を削減するということは、このモデルに基づく畜産業を崩壊させ、農家の破産を招くことになる。

現在の窒素の問題は、自然や生活環境を考慮せずに、短期的に経済の成長と発展に主に焦点を合わせた長年の政策の結果である。これに対し専門家は、単に畜産業を縮小するという短絡な解決法でなく、窒素問題に対する構造的アプローチを提唱している。この新しいアプローチは、動物飼料の輸入と肥料の使用の大幅な削減やアンモニアの利用だ。アンモニアを排出する家畜糞尿は、高品質であれば貴重な原料に変えることができる。アンモニアと粒子状物質の排出量の削減により大気の質が向上し、農地とその周りにある自然保護地域の両方で生物多様性が増加し、温室効果ガスの排出量が大幅に削減されるため、気候目標をより簡単に達成できる。飼料輸入の削減は、大豆生産による森林破壊を防ぎ生物多様性の損失とCO2排出が防止できる。長期的視点にたった農業の構造改革は、市場を創造し、新しい収益モデルの機会を提供するはずだ。

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