オランダ税務当局、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社に10億ユーロ課税

オランダ税務当局は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)に10億ユーロを課税した。BATは、キャメル、ポールモールやラッキーストライクなどを製造するタバコ企業。オランダNRC紙の調査によれば、同社が2003年から2016年までの間にアムステルフェーンにある持株会社を通し所得税を回避していたという。

税務当局は2015年にBATロンドン本社に3100万ユーロを課税した。しかしBATが支払いを拒否したため金額は罰金を含め10億ユーロにまで上がった。この徴税金額はオランダ税務歴史上最高額だという。ただし、3100万ユーロから10億ユーロへの加算経過について税務当局は明らかにしていない。BATはオランダ税務当局の課税に不服を申し立て裁判に持ち込んだ。裁判は数年続くと見られている。

アムステルフェーンに設立されたBATホールディングスは、2017年度の純資産100億ユーロを計上している。この会社を通し18億ユーロが英国の本社ウェストン・インベストメント社に流れている。この18億ユーロ(16億ポンド)の所得に対しウェストン社は1%である160万ポンドの所得税のみを収めていた。アップル、スターバックス、イケア、そしてナイキなどオランダの税制を利用して税回避のために持株会社を設立する多国籍企業は多い。 しかし今年の3月、欧州議会はオランダを「租税回避国(Tax Haven)」と非難した。この批判を受けオランダでは税制改革が行われており、他の多国籍企業にも過去に遡って課税が行われている。

NRC