アムステルダムのホテル新設禁止は観光客増加ストップに功を奏さず

観光客の増加による汚染や騒音そして混雑に悩むアムステルダム市は、2017年からホテルの新規開設を禁止している。
昨日ホテルコンサルタント企業ホーワースHTLとABNアムロ銀行が発表した統計によると、「今年前半の客室占有率は昨年同時期よりも1%減っている。」という。市はホテル新設禁止のほか、観光税を値上げしたりマーケティング活動を中止するなど観光客削減を図っている。

しかしホテルの宿泊客は若干減ったものの、実際には観光客数は増加している。ホーワースHTLによれば、今後10年間は毎年5%の割合で増加が見込まれている。観光客はエアビーアンドビーやアムステルダム近郊に宿泊するからだ。
さらにホテル客室が足りないことで宿泊料金は昨年より10%も上がり平均152ユーロとなり、ロンドンとパリに次ぐ高価格である。ホテル新設禁止は宿泊料金を上げるだけの結果となった。

アムステルダム市内のホテル増設禁止により、近隣のアムステルフェーン、ハーレマーメール、スキポールそしてホーフトドルプなどにホテルが急増した。アムステルフェーンではホテル客室は3年で6倍に増えた。スキポールそしてホーフトドルプには2200室が増設されている。

ホテル業界は観光客増加で売上を上げているものの人手不足にあえいでいる。これはホテルだけでなく飲食業全体の問題だ。比較的重労働のこれらの業界で働くよりも楽な仕事に移る人が多い。アムステルダム市内の飲食店では外国人従業員が多いのはこのためだ。