オランダ人、現状への満足度は高いが、将来に不安も

社会文化計画局(SCP)の調査によれば、オランダ人のほとんどが現在の生活に満足しているという結果が出た。調査は2年に1回行われるが、今回は金融危機をはさんだ2008年から2018年の10年間について聞き取り調査をしたもの。オランダの政策は「すべての人が生活の質が向上していると感じなければならない。」というものだが、実際にはどうなのだろうか。オランダはこの10年で金融危機、債務危機、そして難民の流入という問題に直面したが、政府はどのような画策を取り結果はどうだったのだろうか。生活保護などの社会保障費を出す代わりに職業訓練に力を入れたり、医療介護の分散化などに力を注いできた。これにより生活保護受給者は減り、介護施設の入居者は減ったが、実際にこの結果に満足している人は多くない。

金融危機以来4年間購買力は低下の一途をたどったが、2013年に回復を見せ2013年から2017年の購買力成長率は8%に上った。2013年には貧困率が今世紀最高に達していた。経済は回復したものの、所得格差は広がった。そして2019年の今、多くの人が環境政策や消費税の上昇による出費の拡大を懸念し、給与や年金の不確実性から将来の家計に不安を抱えていることが判明した。

オランダも多分にもれず高齢化が進んでいる。75歳以上で高齢者施設に住む人はこれまでの10.1%から7.8%へと減少した。これに対し18歳になっても家に残るという青少年が7.6%へと増加。ただしオランダは出産と移民により人口は増加している。

犯罪件数は2000年以来減少を続けている。SCPは犯罪が減ったというより届け出を出す人が減っただけなのではと見ている。ただしサイバー犯罪は増加している。

SCP調査