アルルにあったゴッホのベッド、オランダの南の村に?

ゴッホが1888年にフランスのアルルで描いた黄色のベッドの絵は、ゴッホに興味がある人はご存知だろう。このベッドはゴッホの死後廃棄されたと思われていたが、オランダの南の町ボクスメール(Boxmeer)にまだ存在している可能性が高い。

ゴッホの子孫である今年94歳になるヨハン・ファン・ゴッホ氏がイギリスの美術史家であるマーティン・ベイリー氏に語ったところによれば、このベッドはヨハンの父親でゴッホの甥であるフィンセント・ヴィレムの家に第二次世界大戦末まであったというのだ。その後彼らの家があった北オランダのラーレンから120km離れたボクスメールにまで運ばれたとAFP通信は報じている。ボクスメールでは戦争で財産を失った人たちに寄付されたというのだ。

ベイリー氏がオランダの公共放送局NOSに語ったところによれば、ラーレンからボクスメールにベッドを運ぶ際に使ったトラックの写真が見つかったという。「これはベッドがボクスメールにあるという謎を解く鍵になる。」と同氏。ベイリー氏の主張の根拠となっているのは、ゴッホの甥のフィンセント・ヴィレムが1937年に書いた手紙だ。ベイリー氏が発見したこの手紙には、1890年に自殺したとされる伯父のベッドをまだ所有していると記されていた。

「アルルの寝室」と題されている絵は現在3点あり、一番古いものがアムステルダム、1889年に描かれた作品はパリとシカゴの美術館で展示されている。

アルルの寝室