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3月21日、オランダ市議会議員選挙、同時に情報治安監視法に関する国民投票
3月21日、4年に1度のオランダ市議会議員選挙が行われる。投票権は18歳以上のオランダ国民のほか、5年以上オランダに合法滞在している外国人にも与えられる。5年以上オランダに住んでいる日本人にもすでに投票用紙は市町村から届いているはず。日本人が多く住むアムステルフェーン市ではオランダ語と英語の二ヶ国語表記の説明付きのものが配布されている。

同日、情報治安監視法(Intelligence & Secirotu Service Law)に関する国民投票も実施される。こちらはオランダ国籍保持者のみが投票できる。この国民投票は、情報・治安当局にメールや通話の記録など個人情報の大規模な監視を認める法案の是非を問うもの。案に反対するグループが投票実施に必要な30万人超の署名を集めたことでこの国民投票となった。投票結果は政府を拘束しないが、選挙管理委員会は30%以上の投票率があり過半数が法案に反対だった場合、政府は法案を「再検討すべきだ」としている。

国民投票は今回で2度目。2016年に欧州連合(EU)とウクライナが政治・経済面の関係強化に向けて調印した「連合協定」の是非を問う国民投票が実施され、圧倒的多数で否決されている。


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ウィルダースがオランダのEU離脱の国民投票を呼びかけるも、現行法ではほぼ不可能
英国民投票でEU離脱派が勝利したことを受け、極右PVV党のウィルダース氏がオランダのEU離脱国民投票実施に気炎を上げているが、現時点では法的に不可能に近い。

政治学者でトゥエンテ大学教授のローゼマ氏は、オランダの国民投票法は、新規に施行された法律と条約に関してのみ実施可能で、EU離脱を問う国民投票はこの範疇ではないという見解を表明している。今年4月6日に実施されたウクライナに関する国民投票は、議会が決定したEUとウクライナとの連合条約の是非を問うもので、国民投票実施の基準にあてはまる。EU離脱の是非はこの「新しい法律」と「条約」という基準に該当しない。

さらに、ライデン大学のフアマンス教授によれば、オランダの憲法では国民投票の結果は法的拘束力がない。実際、先のウクライナ協定に関する国民投票の結果も法的な拘束力はなかった。EU離脱の国民投票実施自体が仮に行われたとしても、投票結果に法的拘束力はない。拘束力を持たせるには、憲法改定が必要となる。そしてその憲法改正には議会での承認、解散、総選挙実施さらに3分の2以上の議会での同意、と限りなく高い壁がある。


オランダの「EUとウクライナ協定」に関する国民投票がEU政治に影
本日4月6日、オランダで「EUとウクライナの連合協定」の是非を問う国民投票が行われる。この投票は法的な拘束力はないものの、2年前に調印されているこの協定にオランダが国民投票で「ノー」を突きつけることになると、EUのみならずオランダ政府そしてイギリス政府にまで影響が及ぶ可能性がある。

反対票が多数となれば、ウクライナに打撃を与え、結果的にウクライナとEUの連合協定に反対してきたロシアを利することになる。オランダは、ウクライナ東部で起きたマレーシア航空機墜落事故をきっかけにロシアとの関係が悪化しており、賛成派は「反対票はロシアを手助けすることになる」と反対派をけん制している。

総選挙を来年3月に控えたオランダ連立政府は政情が不安定であるだけでなく、国民投票という予想しない事態で揺れている。そこに欧州連合反対派のソーシャルメディアグループ「GeenPeil」が、欧州・ウクライナ協定の批准に関する国民投票という一般国民には不可解なイベントを実現し、オランダのEU決定の賛否を問うことになった。このグループは国民投票に必要な30万人の署名をオンラインで集め、前代未聞な国民投票を可能にしたのだが、ほとんどの国民はこの投票の背景や理由を理解していないという。

しかし、国民投票で批准を拒否するという結果になると、EU離脱を唱える極右のウィルダース氏が率いる自由党(PVV)を間接的に支持することになり、EUを支持する現連立政権の地位を揺らがす。世論調査によれば、極右の自由党は議席数はすでに現首相の率いる自由民主党(VVD)と拮抗している。

さらに今回のオランダの国民投票は、すでにEUで批准された協定を国単位で再度見直すという、EUの存在そのものを揺るがす意味を持つ。さらに、EUの存在を疑問視する傾向が高まれば、6月23日に予定されているイギリスのEU離脱に関する国民投票にも大きな影響を及ぼすことになる。

オランダ、ウクライナ協定に関する国民投票、実はEU離脱を問う投票か?
4月6日にオランダで「欧州-ウクライナ連合協定承認法」の是非を問う国民投票が行われる。オランダの近代史で2度目となる今回の国民投票は、2014年にEUがウクライナと調印した画期的な連合協定の是非を有権者に問うことになる。しかしながら、実際には欧州・ウクライナ連合協定などというのはオランダ国民にとってほとんど関心事ではない。そもそもこの国民投票を実施に向けたのは、オランダの風刺サイト「Geenstijl」で、必要とされる40万票を集め国民投票を可能にした。ここで問われるのは表面上は、ウクライナ協定の是非であるが、究極の目的はオランダのEU離脱のための国民投票だと言われている。

オランダ政府はこの欧州・ウクライナ協定にすでに賛同しているため、もしこの国民投票で反対ということになると政府の立場が危うくなることは確かである。さらにオランダ政府は、EUを支持するという姿勢を崩さないが、国民の中では右派を中心に、移民問題や不公平なEU助成などから不満がくすぶっており、EU離脱を願う声も少なくない。