老人ホーム、列車のコンパートメントを設置

オランダの20ヶ所以上の老人ホームがオランダ鉄道(NS)から列車のコンパートメントを譲り受けた。認知症になった人が列車旅行を思い出したり、中に座って旅行気分を味わうのが目的だ。

オランダ・アルツハイマー協会とNSが、列車の座席やテーブル、そして吊り棚やゴミ箱などを老人ホームに寄贈した。老人ホームは自分たちで、「列車のコンパートメント」を作成する。「ほとんどの人が旅行が好きなのに、認知症のために旅行ができなくなったらどうしたらいい?」と協会が知恵をしぼったもの。1年ほど前に、アルツハイマー協会とNSがオランダ全土の老人ホームに、移動式のコンパートメントを紹介した。その後22の老人ホームが恒久的にコンパートメントを設置することになった。椅子やテーブルなどは、ダブルデッカーと呼ばれる列車から取ってきたもの。

認知症のために旅行ができなくなった人も、コンパートメントに座って旅行気分を味わうことができる。NSによれば、認知症の人が列車に乗って迷子になったり、チェックインしたかどうかを忘れるなどの困難に直面することがあるが、ホーム内の列車にいれば問題ない。

オランダでは約29万人が認知症を患っており、20年以内にこの数は52万人に増えると想定される。