ニュース

オランダ、水不足がやってくる
water-shortage.jpeg
このところの異常気象で、オランダが水不足に陥っている。水に囲まれた国での水不足はあまり実感がわかないが、農業や工業への影響は大きい。一部では農場での水撒を禁止したり、船舶の水門利用を制限するなどの対策が取られている。

飲料水にはまだ影響は出ていないが、将来的には飲料水不足も懸念される。このため今から対策を練る計画が次々と紹介されている。水源の場所により、どの地域が水不足に陥るのかは様々だが、2030年ごろには深刻になると予想されている。

スヘーベニンゲンのエレメンタル・ウォーター・メーカー(EWM)社は、海水を持続可能な方法で飲料水にする方法に取り組んでいる。この技術は新しいものではなく、すでに10年も25カ国で使われている。カリブ海やアジアなどの水が高価な海に近い地域である。同社の取り組みはまだ小規模だが、将来の(世界的な)水不足に備え、海水の利用は重要だとしている。ただし海水の淡水化はエネルギーの消費が膨大になるため、持続可能なエネルギーを使用している。

デルフト工科大学ではすでにある水を使用する方法を研究している。例えば雨水を貯めてトイレ用に使うなど、単純な方法も試みている。また日本に昔からある手を洗う水がトイレを流す方法もここでは新しい。


関連記事

明日からまた猛暑、水不足に拍車
blauwalge.jpeg
明日からまた一週間ほどオランダに猛暑がやってくる。ほとんどの地域で30度を超えると予想されている。また降雨がないため、この干ばつも悪化する。先週の水曜日に公式な水不足が発表されたが、これがさらに続く。

オランダを流れるマース川とライン川の水位はさらに下がる。アイセル湖も同様で、先週には船舶の運行が制限されている。水門も非常に狭いため、一度に1艘しか通過が許可されていない。

火曜日は20度から29度、そして水曜日からは30度を超えると予想されている。この猛暑は週末まで続く。

こう暑いと川や湖や海で泳ぐ人も多いが、水中の藍藻(blauwalge)に注意するよう国立水管理局が警告を出した。藍藻は水の表面に青や緑の層を形成することが多いが、水中で見えない場合もある。藍藻に接触すると皮膚の炎症を起こすだけでなく、頭痛や胃腸の痛みを引き起こす可能性がある。遊泳に危険な地域は、遊泳水域www.zwamwater.nl  で見ることができる。

干ばつは山火事を起こす危険もある。現在自然火災リスクは2段階。このため消防隊は自然地域で喫煙したり、乾燥した高い草木のある場所に駐車しないよう呼びかけている。
オランダは年々気温が上がり、降雨量が減っている。これに対してまだ対応準備ができていないというのが実情だ。

新政府、水素エネルギーを推進か
hydrogen.png
新政府はオランダの水素エネルギー産業の振興に数10億ユーロの予算を計画している。350億ユーロという気候変動対策予算の中でも、この水素エネルギーが最大の受給者となりそうだ。脱炭素分野で遅れが目立っていたオランダは、今回気候変動対策に大きな予算を割り当てている。化石燃料からクリーンな代替燃料への脱却で、欧州トップをめざすという。

これまで政府は水素エネルギーについてほとんど関心を払ってこなかった。太陽、風力エネルギー、そして原発などは連立政府の計画に含まれていたが、今回この水素エネルギーが脚光を浴びている。2030年までのCO2排出量の大幅減少のために、この水素エネルギーに力を入れそうだ。

水素はオランダにとって戦略的に重要だ。製油所や化学工業の原料として使用されている可燃性の軽質ガスは、天然ガスから作られてる。これによりCO2排出は免れない。このCO 2を回収して地下に置くことにより、この水素生成は比較的安価に「クリーン」に生産可能だ。ただ水を電解槽にて水素と酸素に分けるには、膨大な量の電力が必要だったため、なかなか前進しなかった。

現在、北海の風力発電ファームで作られた電力をこの電解槽に利用したり、モロッコなどの太陽と風に恵まれている場所での電力を使い水素を生産し、パイプラインで欧州に運ぶといった計画が考えられている。
さらにオランダで電解槽構築計画を示しているエネルギー部門の多国籍企業も多い。たとえば、ドイツのエネルギー会社RWEは、12月末にエームスハーフェンに50MWの電解槽を建設する許可を得ている。オランダ企業HyCCも3つの電解槽建設を計画しており、鉄鋼メーカーのTataスチールやエネルギーグループBPなどと協力している。シェルは今週、マースフラクト2上に構築される200MWの電解槽を注文したと発表している。

リンブルグ州を襲った洪水への寄付金サイトに500万ユーロ
valkenburg2.png
先週リンブルグ州を襲ったマース川の氾濫による大洪水で、ファルケンブルグなどの街で多くの人が家を失ったり浸水による破損を被っている。損害に対してはほぼ保険がカバーしたり政府も補償をすると発表しているが、カバーされない部分も多い。
11ヶ月間のロックダウンで閉鎖されていた飲食店などは、やっと再開できたばかりの時に、ときには天井まで泥水に浸かるという不運に見舞われた。精神的な痛手も大きい。

国内の自然災害の損害に対する寄付を募る国内自然災害基金は、すでに500万ユーロの寄付金が集まったと昨夜発表した。1日で10万5000人が寄付を実施し、一人平均47ユーロだったという。寄付口座はGiro777。

今回の災害はドイツやベルギーのように死者や行方不明者は出ていないが、建物や道路そして畑などへの被害が大きい。

ドイツやベルギーを襲った大洪水、オランダ南部でも被害
overstroming.png
豪雨による川の氾濫で起きた大洪水で、ドイツでは81人が死亡1000人以上が行方不明となっている。ベルギーでもリエージュ付近で大洪水が発生し、少なくとも4人が亡くなっている。この洪水はドイツやベルギーに隣接するオランダのリンブルグ州の南部にも及び、大きな被害を出している。とくに、ルールモントやファルケンブルグでの被害は深刻である。

洪水はドイツのライン川沿岸、そしてこの支流であるマース川沿いのベルギーそしてオランダの南部を襲った。オランダでも床上浸水のみならず、車が流されるほどの高水位となり、住民や家畜が避難することになった。今朝3時には、マーストリヒトを流れるマース川の推移が最高位に達している。昨日まで深刻な洪水に見舞われていたベルギー国境に隣接する南リンブルグ州の水位は少しずつ下がるとともに、これが北部に移動している。マース川の水量は、通常の夏の水量の76倍に達しており、マーストリヒトの南のアイスデンでは、アムステルダム標準水位(NAP)を50メートル超えている。

被害額などはまだ算出されていないが、ルッテ首相は洪水による損失は国が補償すると発表している。
この豪雨は気候変動の結果だと言われている。また、ライン川やその支流の川の流れを、昔の曲がりくねったものからコンクリートで固めた真っ直ぐなものに変えてしまったことで、地中に水を貯めることが不可能になってしまったことも原因だ。

オランダの教師不足深刻、教育水準も下がる?!
schoolkids.jpeg
オランダの教師不足は深刻である。教師が足りないため閉鎖する学校も出ている現在小学校で働く教師は12万9千人。中高等学校では7万5千人が働いている。教師の退職などで空きが出ても小学校の場合には56%を埋めるのが難しいという状態だ。中高の場合はこれが37%となっている。学校では緊急対策としてインターンやアシスタント、ときには両親を教壇に立たせるなど、なんとか空きを埋める努力をしている。

オランダの学校が直面する問題は、この教師不足、授業の内容、そして政府の対策であるという。今回はこの教師不足問題。

教師の質は子供の教育そして将来に最も影響を与えるといっても過言ではない。それはモンテソーリやイエナといった特殊教育でも通常の教育でも共通して言えることだ。最も教師不足が深刻なのは、大都市で貧困な家庭が多い地区であるが、他の地域でも問題は広がっている。週に5日の学校を4日にして、残りは家庭学習にするという学校も出てきている。政府は教師不足解消のために85億ユーロの予算を計上した。大都市での教師不足は深刻で、アムステルダムで13%、ハーグで15%に及んでいる。

教師不足の原因は給与が低いこと、そして小学校と中高等学校の教師の給与の差が大きいことが上げられる。そして、おびただしい量のペーパーワーク。これは通常の企業では見られないほどの量だともいう。
教師の質も問題化している。オランダでは教師養成学校(高校)出、大学で教育専攻した人、修士保持者などいろいろな背景を持つひとが教師をしている。それぞれ長短はありどれが一番いいとは言えないが、教師養成を専門とする高等教育機関の設置も必要だという声もある。

ポートフォリオ・オランダニュースは2004年から17年間、読者のみなさまに無料で記事を提供させていただいてきました。 広告主様による財政援助や読者のかたによる寄稿などで、これまでの間無事にニュースを発行することができたこと、心からお礼申し上げます。 今後も正確で迅速そして皆様のお役にたてるニュースを配信続けるため、ご支援をお願いしております。 以下のフォームから寄付ができます。クレジットカードだけでなく、銀行カード(オランダ、ベルギー)そしてPaypalでもお支払いができます。銀行カードの場合には支払いページで「Direct Debit」を選びます。どうぞよろしくお願いいたします。