テストの結果や成績表を出さない学校

オランダで、成績表を出さない学校が増えている。テストや点数が重要視される教育を止め、別の教育法を実験的に行っている。教師は授業のあと生徒たちがどのくらい学んだのかを知るために、生徒たちと話し合うのが基本になっている。「テスト勉強をしてもその後すぐに覚えたことを忘れてしまうのが常だ。新しい教育法では、学んだことがしっかり身についているのを確かめて、次の章に移る。」 テストも行うが、目的は採点ではない。生徒たちがどこにつまづき、何を強化しなければいけないかを教師が知るためだという。

これは、指導を行うだけでなく、生徒が言われたことを理解しているかどうかを確認し、必要に応じて教師は専門知識に基づいて質問をする。この方法で、教師は自分が教えていることを批判的に見ることができる。

成績表を出さない学校で学ぶ生徒の両親は、テストの結果が出てこないのは不安に感じる。また自分の子どもがどの程度学力が上がっているのか、下がっているのかを知りたいのが山々だ。しかし、こういう学校では教師が生徒ひとりひとりに合った教育を行うので成績やテストの点は意味がないという。テストはあくまでも理解度を計るもので、評価するものではないという考え方が基本にある。このモデル校であるアルフリンク・カレッジ(小中高等学校)には、教師や教育関係者の訪問が絶えないという。

オランダの学校では小学校のグループ3(日本の1年生)からテストが行われる。「この最初のテストで、学力が低い子供と高い子供というレッテルが貼られる。このテストは子供だけでなく両親にも大きな影響を与えている。」教育専門家によれば、子供は評価を受ける前に、より高いレベルに行くための学ぶチャンスを与えられるべきだ。

アルフリンクの教育方法は大きな利点があるものの、教師の負担は大きい。授業をするだけでなく、子どもたちひとりひとりの学力の成長を助けねばならない。ただ、学校内の中間テストや高校卒業試験に関して、疑問視する人も増えており再考するいい機会となっている。