誰がアンネフランクの隠れ家を密告したのか? 新テクノロジーが解明

第2次世界対戦中「アンネフランクの日記」で有名なアンネ・フランクなど、オランダに住む10万人以上のユダヤ人がナチスにより強制収容所に送られ命を絶った。隠れ家に身を隠していた人たちが、なぜ、そして誰の通報でナチスに身元が知れたかは、これまでわからずじまいだった。迷宮入り事件(コールドケース)として闇に葬られるはずだった。ところが今日、ナチスの罪を負い続けるコールドケース・チームは、この通報者を非常に高い確率で判明したと発表した。

発表によれば、ユダヤ人評議会(Joodse Raad)のメンバーである公証人アーノルド・ファン・デン・ベルグ氏がナチスに通報した可能性が高い。ユダヤ人評議会はアムステルダムに住むすべてのユダヤ人の氏名や住所や隠れ家の記録を保持していた。ファン・デン・ベルグ氏は自分の家族の保護と引き換えに、このリストをナチスに渡したと調査の結果判明した。

コールドケース・チームは元米国のFBIメンバーのビンス・パンコーク氏を中心に30人ほどのオランダ人専門家(刑事、犯罪学者、法医学者など)がメンバーである。チームは最新の調査手法を使用し、数十万の文書を調べ、8各国でアーカイブを分析し70人にインタビューした。そして特別に開発された人工知能プログラムを使用して、ケースを取り巻くすべての詳細が分析された。

1944年8月4日、アムステルダムのプリン全運河の隠れ家で、25ヶ月間身を潜めていたアンネ・フランクら8人がナチスによって連れ去られる。唯一の生存者であったアンネの父親であるオットー・フランク氏のみがオランダに戻るが、調査によればオットー氏もこの通報者を知っていた可能性が高いという。
通報者に関しこれまで多くのセオリーやシナリオが発表されていた。しかし、今回の調査によって、この数十におよぶシナリオがひとつに絞られた可能性が高い。
チームの調査に関しては、本日1月17日、カナダ人作家ローズマリー・サリバンによる「アンネフランクの密告者」という本が世界同時に出版される。

Ron PorterによるPixabayからの画像

本:アンネ・フランクの密告者(英語)