オランダ11月のインフレ率5.2%、40年ぶりの高さ

中央統計局が本日発表した11月のインフレ率は5.2%と1982年以来の物価上昇率である。とくにエネルギー費の高騰が目立つ。ガス代は53%値上がり、電気代は74.9%そしてガソリン代は4.7%の上昇である。

食料や衣料も値上がりしている。衣料品に関しては昨年同時期に比較し5.2%の上昇。食料は1.1%値上がりしている。とくにジャガイモ、果物そしてコーヒーの値上がりが目立つ。ガソリン代も大きく上がり、昨年11月にはリットルあたり1.52ユーロ(Euro95)が、今では平均2.01ユーロとなっている。

経済回復にともない物価上昇はここ数ヶ月続いている。世界的な原材料とコンテナ輸送費の上昇などが物価を押し上げていて、これがオランダのインフレの原因となっている。ただ欧州他国、例えばベルギーやドイツでの物価上昇率はオランダよりも高い。

ユーロ圏の物価安定を担う欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏でのインフレ率を2%前後に保ってきた。ここ数年はこれより低いレベルで抑えてきたが、今回の物価上昇は一時的なものとECBは見ている。品不足は一時的なもので、解消すれば物価は戻るという見解だ。
ただオランダ中央銀行は、インフレが一時的なものであるという見方に少し懐疑的だ。インフレで労組が賃上げを要求した場合、企業はこれを製品やサービスに転嫁、これが賃金スパイラルとなる可能性もある。一時的なものか、これが続くのかはまだ不明だ。