パンドラ文書の公開で、オランダの財務大臣も非難の対象に

世界のジャーナリストが共同で調査報道を行うためのネットワーク「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」が、600人以上のジャーナリストが1年以上にわたって行った調査の報告書「パンドラ文書」を入手したと発表した。このパンドラ文書で、世界中の大統領や首相、裁判官、軍幹部などが租税回避地(タックス・ヘイブン)のダミー企業を使って税金を回避していたことが明るみに出た。今回公開されたパンドラ文書はパナマ文書よりもさらに膨大なデータが記録されているという。

ブレア元英国首相などの政治家などもパンドラ文書に含まれるているが、オランダの財務大臣ヴォプケ・フークストラ氏の名前もあった。このほか、オランダ人ではABNアムロ銀行のトップであるトム・デ・スヴァーン氏や、他の銀行家の名前も連なっている。タックスヘイブンを通じて個人的に投資をすることは禁止されていないが、銀行業界そしてオランダ政府はこれまで租税回避地のペーパーカンパニーを撲滅すべく努力してきたのが、張本人が関わっていたことで政界と業界にショックを与えている。フークストラ大臣(キリスト教民主党)は、財務大臣に任命される前まで、英バージン諸島のペーパーカンパニー経由で投資していた。これは合法であるが、税回避を財務大臣が行っていたということが問題化となっている。

フークストラ大臣は2009年に株を購入、2017年に大臣に任命される前に売却しているという。ただし、大臣は株を所有していた時期もこれを税務署に報告していたと述べている。さらに、投資による利益4800ユーロはオランダの慈善団体に寄付したとコメントしている。今後、左派右派両方の野党からの追求は免れないであろう。

パンドラ文書