食品廃棄を減らすために改良された野菜登場

今オランダでは、野菜のゴミを減らすための品種改良が行われている。たとえば、ハンバーガー用のバンの大きさにぴったりのサイズのレタス、捨てることが多い太い茎のかわりに細い茎のブロッコリ、黄色くなると捨ててしまうが白いままで長持ちするカリフラワーなど、捨てないことを前提にした野菜である。改良野菜は、現在行われているフィールド・オブ・イノベーションという農家とスーパーマーケットなどが参加するイベントで紹介されている。世界規模では、野菜や果物の30%から40%がゴミとして捨てられている。これを減らそうと、オランダの農業界は、消費者の要望を考慮し、新しい野菜の改良を行ってきた。

品種改良野菜を生産するシナジェンタ(Synagenta)社は、「品種改良には開発から生産までに平均7年かかる。上記のハンバーガー用レタスが例だが、長持ちするだけでなく、余分な部分を捨てることがない。」とコメントしている。ブロッコリーも、太い茎を薄く切って使う人もいるが、たいていの人はそのまま捨ててしまう。「実際には、この茎の部分が美味しく、かつビタミンに富んでいるので、もったいない。」と同社。そこで、同社が開発に着手したのは、茎が細いブロッコリー。これなら茎を捨てずにそのまま食べられる。

色が変わってしまったカリフラワーは実はまだ十分食べられるのだが、もう食べられないと考えて捨ててしまう人が多い。そこでシンジェンタ社は、色が変わらないカリフラワーの開発を行った。また独居者や少人数の家族が増える中、大きなカリフラワーは半分しか使わず、残りは古くなって捨てられることも多い。そこで長持ちし、色が変わらない品種が開発された。

種苗会社であるシンジェンタ社は農業ではトップクラスのワーヘニンゲン大学と共同で、2030年までに食品廃棄をこれまでの半分にするプロジェクトを行うと本日発表した。オランダの農業技術は世界でもトップ。農産物の輸出高は世界2位を誇る。

シナジェンタ(Synagenta)