欧州ワクチン・パスポート、7月1日から利用開始に

コロナ危機が始まって以来2度目の夏のバカンスシーズンを迎えるが、欧州連合(EU)ではこれに先立ちディジタル・コロナ・証明書(DCC)の利用を開始する。一般にコロナパスポートあるいはワクチンパスポートと呼ばれるDCCは7月1日からEU内で利用できるようになる。DCCにはワクチン接種が完了したか、すでにコロナに感染し回復したか、至近に検査陰性となったかが記録される。

1.ディジタルコロナ証明書(DCC)について

オランダでは、すでにスマートフォンのアプリであるコロナチェック・アプリ(CoronaCheck−App)がイベント入場の際などに利用されている。しかし欧州内の旅行の際には、第2回目のワクチン接種が少なくとも旅行の2週間前までに接種されていることが必要。ワクチン接種証明はGGD(保健所)やホームドクターがディジタルで発行。証明はQRコードで見せることができる。QRコードには、個人情報とワクチン証明が記録されている。スマートフォンがない人には紙の証明書が発行される。すでにオランダではワクチン接種証明として黄色い冊子が発行されているが、これはDCCの代わりにはならない。ただしフランスはこれを証明書として受け入れている。

2 DCCがあればどこに行けるのか?

基本的に欧州(EU)ほぼ全土での旅行が可能だ。ただし一部の国ではアプリが完全に機能していない。例えばフランス、ハンガリー、フィンランド、マルタ。また実際にどれだけチェックされるかということは不明だ。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の地図上で国が緑色(安全国)に 変わった場合、旅行者の証明書を確認する必要はなくなった。一方、EU諸国は、たとえば新しい亜種が出現した場合にも、対策を強化する可能性がある。

3 7月1日にワクチンを受けたらすぐにDCCが発行されるのか?

ワクチンを接種したあと、詳細データは国立衛生研究所(RIVM)に送られる。その時点でDCCに記録されるのだが、接種場所によってRIVMへのデータ送付にかかる時間が異なるため、すぐにDCCに反映されるわけではない。記録されるのを待つか、急ぎの場合はワクチン接種場所で記録を依頼すればいい。またワクチン接種の際にデータをRIVMとの共有を拒否した人もDCCに反映されないが、あとから変更可能だ。

4 ワクチンを接種完了していないか、ワクチン接種を拒否するとDCC発行はないのか?

DCCがなくても欧州内での渡航は可能だ。ただし、陰性テスト証明や隔離が必要となる場合もある。コロナ抗原検査は48時間以内、PCRテストでの陰性証明は78時間が有効となっている。
オランダでは暫定的にコロナ検査の無料化が決定している。

コロナチェック・アプリ(英語)