オランダ「いじめに取り組む週間」、過半数の子供がいじめにあっている

ユニセフの調査で子供が世界一幸せな国となったオランダでもいじめはある。最近の子供向けニュース番組「NOS Jeugdjournaal」の調査では、9歳から13歳の子供の10人中6人がいじめられた経験があるという結果が出ている。怒鳴られたり、蹴られたり、打たれたり、噂の対象になったり、仲間はずれといったものから、特に最近増えているオンライン上でのいじめなど、世界共通のいじめである。今月の21日から27日までが「いじめに取り組む週間」Week Tegen Pestenとされ、約1000校でいじめについて話し合う週となった。

フローニンゲン大学の社会学教授レネー・フェンストラ氏によれば「いじめられている子供にとって学校は地獄だ。だから学校でいじめについての話し合いをすべきなのだ。」と教師と子どもたちがいっしょになって取り組むことを勧めている。
同教授によれば、90年代はいじめている子供を罰し、いじめられた子供には耐性を訓練するといった方法がとられていたが、これは全く意味をなさなかったという。今では「クラス全体でこの問題を話し合うこと。それからいじめていないという子(傍観者)にも責任があるということを理解させること。傍観者がいじめている子供といっしょに被害者を笑うことがいじめをさらに促すこと、自分たちもいじめを止めることができるということを学ぶこと。」が効果があると考えられていると同教授。 「いじめは権力を象徴する。いじめている子供といっしょに笑わない、同調しないだけでも、いじめている子供は権力を失う。」

子供たちが電話で相談できる子供電話(Kindertelefoon)は、いじめを含め毎日1000件ぐらいの相談があるという。親に心配をかけたくない、恥ずかしい、いじめが余計ひどくなると心配から、誰にも相談できない子供たちが、この電話を利用している。