プロサッカーリーグ、10月から観客を増やす実験?

オランダのサッカーリーグの最上級であるエーレディビジ(Eredivisi)の臨時ディレクターであるヤン・デ・ヨング氏は、10月から実験的に試合での観客数を増やしたいと発表した。「エーレディビジbに参加している各チームやスタジアムでこの実験をする計画だ。一部の席でこれまでのソーシャルディスタンスである1.5メートルを短くした座席配置をしてみる。ただしマスク着用は義務付ける。公共交通機関と同じコンセプトだ」とデ・ヨング氏。

現在のコロナウィルス感染拡大予防規制では、スタジアムは最高でも40%しか埋まらない。サッカー業界が生き残るためには観客数を拡大させなければならない。「1年間も観客無しで政府の支援もなければ、オランダのプロサッカーは消え去るしかない。」とデ・ヨング氏は述べている。コロナ危機でサッカー業界も大きな打撃を受けている。オランダサッカー連盟(KNVB)は6月初めに「デルタ計画」を発表。この計画の中には政府の健康福祉スポーツ省に1億4000万ユーロの助成金の申請が含まれていた。

しかしこの助成金は受け取ることができなかった。政府はサッカー業界全体として助成金を出すことは拒否。そのかわり各クラブがまずスポンサー、銀行、地方自治体に援助を要請すべきだとした。現在のところ、財政的に困難なクラブはほとんどないため、個々に財政援助を申請したチームは1チームのみ。しかしこの状態が続けばシーズン終了後にはどれだけの損害を被るかが明らかだろう。

デ・ヨング氏はNOS(オランダ公共放送)のインタビューで、サッカー業界だけでなく、コンサートホール、イベント場なども、政府の支援なしでは生存の危機に直面すると懸念を示した。