オランダ史上最長の熱波。気象研究所、危険性を指摘

オランダ王立気象研究所(KNMI)のファン・オルデンボルグは、今回の熱波はその気温の高さではなく長引いていることが問題だと指摘した。ファン・オルデンボルグ氏は気象研究者でオックスフォード大学の客員教授でもある。先週から始まった今回の熱波は今週の木曜日まで続くと予想されているが、これはオランダ気象観測史上で最も長期にわたる熱波だという。

気温だけを見ると昨年のほうが高い時があった。昨年ヒルス・ライエン(Gils Rijen)では40度を記録している。今回は気温もさることながら、8日間続けて熱波が続いている。1976年と2006年にも熱帯日が続いたが、8日間というのは驚くべき長さである。

ファン・オルデンボルグ氏によれば、熱波が続けば続くほど健康への害が増加する。「1日だけなら大した影響はないが、長期間にわたると健康を害する可能性が高まる。2006年の熱波時には死亡者数は通常より1000人多かった。

20世紀初頭には1年で最も暑い日は30度前後だった。これがすでに3-4度上昇している。世界的に見れば地球温暖化による気温上昇は平均1.5度。オランダはこれを大きく上回っている。この理由はまだ解明されていないが、ファン・オルデンボルグ氏は深刻に見ている。気温上昇幅が大きいのはオランダだけでなく、ドイツ、フランス、ベルギー、イギリスもこれにあたる。

熱波による健康への被害は、コロナウィルスと同様で、まだ過小評価されていると同氏。とくに高齢者や病人には影響は大きいという。(画像はKNMI)

KNMIニュース