ルッテ首相、人種差別反対デモについて言及

3日夜の渡航規制に関する記者会見で、ルッテ首相はオランダの人種差別反対デモについて言及した。米国のミネアポリスで起きた警官による黒人殺人事件を受け、オランダでもアムステルダム、ハーグ、フローニンゲン、ロッテルダムなどで人種差別反対のデモが行われた。アムステルダムではソーシャルディスタンスを無視した大規模なデモが行われ、市長の責任が問われている。ハーグやフローニンゲンでは1.5メートル規制を守った整然としたデモが行われた。ロッテルダムで昨日行われたデモでは、数千人が集まりエラスムス橋をびっしり埋めるほどの状態となり、市長の解散命令で終了した。記者会見ではこの件について首相が問われた。「デモをする権利は民主主義の基本」であるとし「デモの趣旨は1000%理解できる」とデモに対しては肯定的だったが、まずは1.5メートル規制が優先されるべきで、アムステルダムのデモは無責任であるとの見解を述べた。

さらに首相はオランダの人種差別について「構造的問題」であると述べ、「オランダでも人々は出身国や人種により判断されている。」「アメリカだけの問題ではない。」と見解を発表した。米国で警察官がデモ隊に催涙ガスを発射したりゴム弾を投げている様子について「アメリカの政府に対しコメントは避けるが、この画像はショックである。」と批判した。