コロナウィルスに関するロシアの「偽情報」が拡大、欧州内の対立を深める

「ロシアはコロナ禍を利用し欧州各国を混乱させている」と、オロングレン国務大臣(Ollongren)は国会に書簡を送った。この中で大臣は、偽情報から民主主義を守らねばならないと述べている。「ビル・ゲイツがウィルスを作った」「5G電波がコロナ拡大」といった情報だ。

オランダ国内でもソーシャルメディアを中心にコロナウィルスにまつわる信頼性の低い情報が交錯している。オランダ情報安全局(AIVD)によれば、ウィルスに関してロシアが流したと思われる根拠が疑問視される情報だという。この偽情報は欧州各国に散布され、各国の対立を助長し連帯を崩壊させるするものだと、同大臣は懸念を示している。
今年の3月報道機関ロイター通信は、「ロシアが大規模な偽情報キャンペーンを行っている。」という内部情報を発表している。これにより、EU各国の連帯を崩壊させるのが狙いだという。ロシアはソーシャルメディアを利用し、米国が生物兵器を開発しこの拡大にイランが一役を買っていたり、ビル・ゲイツに今回の世界的コロナウィルス拡大の責任があるといった根拠がはっきりしない情報を流しているという。このような陰謀論を信じる人はオランダにも15%程度いるという統計結果もある。

また5Gネットワークとコロナウィルスの拡大が関連しているという情報を信じ、オランダでも5G送信塔に火をつけるなどの事件が何度か起きているが、これも偽情報によるものだと同大臣。根拠のない情報は危険だとコメントしている。

ロイター「ロシアの偽情報」