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人との距離1.5メートルは、スポーツ中には不十分
コロナウィルス感染を防ぐため、オランダでは人との距離を1.5メートル開けることが義務付けられている。しかしこの距離ではくしゃみ・せきなどによる飛まつ感染を必ずしも防げないという研究結果が発表された。オランダのアイントホーフェン工科大学とベルギーのルーベン大学の共同研究の結果だ。

飛沫の飛翔距離を測定したところ、横並びでスポーツする場合には4−5メートルの間隔を開けないと意味がない。また自転車やジョギングの際も10メートルから20メートルの間隔が必要だと、実験に関わったルーベン大学のブロッケン教授が語った。この間隔はコンピュータによるシミュレーションから算出されたものである。

日常の行動では1.5メートルの間隔は感染を防ぐには十分だが、スポーツ中には呼吸や咳・くしゃみなどが飛ぶ距離が長くなるため、距離を十分開けることが必要だという。これは、スリップストリームと呼ばれる現象によるもの。スリップストリームとは、移動している人のすぐ後ろにできる領域のことで、いわば空気を少しだけ伸ばしているような状態を引き起こす。こうしたスリップストリームは自転車競技者の間では知られている現象だが、歩いたり走ったりしている人の後ろにも発生する。


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コロナ入院患者増加で医療逼迫、明日また記者会見
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今週の水曜日のRIVMの統計によれば1日の感染者数は23,789名とこれまでの最多となった。これを受け、政府は当初12月3日に予定されていた記者会見を明日11月26日に繰り上げると発表した。通常は記者会見前に大筋がリークするが、今回は内容はまだ明らかにされていない。

コロナによる入院患者の流入により、病院でのがん患者の化学療法、腎臓移植などの急を要する手術がキャンセルされている。これまでも腰や膝の手術は中止されてきた。今後6週間に計画されている手術や治療が難しい状態であるという。

RIVMの資料によれば、18歳以上のワクチン接種済みの人は85%、未接種の人は12%だ。入院患者で見るとワクチン接種者と未接種者の割合は半々。ICU治療を受けている患者の68%は未接種の人である。ワクチン接種済みの入院患者のほぼ全員が心臓疾患などを抱えているか肥満の人だという。

この医療逼迫に対し、全国緊急医療ネットワーク(LNAZ)と病院は医療拡大計画を作成した。コロナ患者による医療体制が逼迫した場合には、病院のスタッフがコロナ患者用に回される。さらに軍や赤十字も援助にまわるというもの。

子供の新コロナウィルス感染激増
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先週末からのコロナ規制(ミニロックダウン)にもかかわらず、感染者数は増加しており、すでに1日に2万人を超えている。その中でも子供の感染が目立っており、子供同士の感染そして子供から大人への感染が問題化している。

10歳から14歳までの子供の感染はここ3週間で10万人に上っている。RIVM(国立衛生環境研究所)の「12歳以上の子供はワクチン接種を受けられるが、11歳以下の子供には接種がまだ行われていない。これが子供の感染を爆発させている原因。」も理由のひとつとして挙げられる。また子供には1.5メートルルールは適用されていないというのも、感染拡大の一因である。

ただ子どもたちは感染しても症状が出ないか、軽症ですむことが多い。入院をするケースもほとんどない。
問題は、子供からの感染である。0歳から11歳の子供は他の子供を感染させるだけでなく、とくにワクチン未接種の大人(50歳以下)を感染させているというRIVMのデーもある。
それでは子供もワクチン接種をすべきかというと、重症化する可能性が低いのと副反応というリスクもあるため、必要ないという専門家の意見もある。別の専門家は、ワクチンによる副反応に比べ、重症化する可能性は10倍あるとし、ワクチン接種を勧めている。いまのところは接種は両親の判断に任せているが、12月には欧州医薬局(EMA)が12歳以下の子供のワクチン接種に関する結論を発表するという。

学校での子供間の感染拡大を防ぐために、クリスマス休暇を早めたり、シンタクラース祭をキャンセルするべきだという意見も出ているが、まだ統一見解は出ていない。

コロナチェックで2Gが採用されると
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先週の記者会見以来、政府と議会ではコロナチェック2G導入で論議中だ。内閣は導入に賛成だが、下院ではまだ反対派との話し合いが続いている。下院と上院の意見の相違は?賛成派と反対派の論点は?

2Gコロナチェックとは、ワクチン接種済みあるいはすでにコロナに感染し完治している人のみを対象となる。現行の3Gチェックは、この2種類のほか、コロナテストで陰性であった場合も含まれる。すでに1日の感染者数が2万人を超える今、政府はこの2Gの導入を急いでいる。2G導入反対者はこれを非ワクチン摂取者への差別だと弾劾。賛成者は公衆衛生と弱者保護を優先すべきだとしている。

議会で2G導入を支持しているのは、自由民主党(VVD)と民主66党(D66)のみ。連立政党のキリスト教民主党(CDA)とキリスト教連盟(CU)は疑問を示している。最終的にはCDAもデ・ヨング国民健康省大臣を支持するため、賛成派にまわるだろう。野党の労働党はコロナ規制そのものの見直しを提唱、VOLT党やPieter Omzigtの党はまだ検討中だ。つまり完全に反対という声は聞こえてこない。上院では連立党が過半数を満たないため、最低もう一党の支持が必要となる。

2G と3G以外にも1Gという選択もあると、キリスト教連盟(CU)。これはワクチン接種やコロナ感染済みとは全く関係なく、テストで陰性であることだけが必要であるという考え方。しかしこれは現実的ではない。週末の夜には100万回の検査が必要となり、その検査能力はない。3Gか2Gか1Gなのか?来週月曜日には議会で議案が提出される。その後閣議が開かれるが、いったいいつ法定化されるのかはまだ未定である。

新型コロナウイルス関連情報 (感染防止措置の強化)
本日11月12日(金)午後7時より、ルッテ首相及びデ・ヨンゲ保健・福祉・スポーツ大臣が新型コロナウイルス対策に関して記者会見を行い、明日13日(土)の18時から、少なくとも12月4日(土)までの間、新型コロナウイルスの感染防止措置を強化する旨を発表しました。
この会見に関連し、オランダ政府がホームページ上に具体的な内容を公表しておりますので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。
 なお、オランダ政府の発表の詳細につきましては、以下をご参照ください。(英語)
https://www.government.nl/latest/news/2021/11/12/press-conference-12-november-2021

1.11月13日(土)18時から適用される措置
○コロナ・エントリー・パスの提示が要求されない場所において、他者と1.5メートルの距離を保つ制限を再開する。
○コロナ・エントリー・パスの提示が要求されない場所において、マスクの着用が義務づけられる。
○生活に必須でない店舗(衣料品店、美容院、カジノ等)の営業時間を18時までとする。
○飲食店や生活に必須な店舗(スーパー、ペットショップ、薬局等)の営業時間を20時までとする。
○飲食店においては、コロナ・エントリー・パスの運用と、着席が義務づけられる。
○イベントは、コロナ・エントリー・パスの運用と、着席を義務づけた上で、18時までの開催が可能となる。1施設の最大人数は1250人とすること。
○営業時間の短縮義務は、芸術・文化活動(映画、劇場、コンサートホール等)には適用されない。
○スポーツは無観客試合となる(プロ・アマチュア問わず)。
○在宅勤務に関する勧告は、「他の選択肢がない場合を除き、在宅勤務」へと引き締められる(現行は、「少なくとも半分の労働時間の在宅勤務」)。
○自宅へ招くことができる最大人数は、1日の上限を4人とする。
○新型コロナに感染した場合、感染者及び同居する者全員が、ワクチン接種の有無にかかわらず、自主隔離を行う。
○中等職業学校(MBO)、高等職業学校(HBO)及び大学においては、職員を除き、1グループの最大人数制限を75名とする。ただし、試験会場においてはこの人数制限は適用しない。

2.今後予定されている措置(コロナ・エントリー・パスの運用拡大)
 今後数週間で感染者が減少した場合、政府は可能な範囲で措置を緩和する予定である。その際、コロナ・エントリー・パスの運用が、小売店、動物園や遊園地などへの入場や、職場においても可能となるよう、法的整備を進めている。また近い将来、3G(ワクチン接種証明書、回復証明書、陰性証明書)をコロナ・エントリー・パスとして用いて座席指定ありとするか、2G(ワクチン接種証明書、回復証明書)をコロナ・エントリー・パスとして用いて座席指定なしとするかを、経営者が選べるようにする。このコロナ・エントリー・パスの運用拡大については、議会の承認を経て開始される。

3.ワクチン接種
 11月19日から順次、GGDに来ることができる80歳以上の者、18歳以上の養介護施設入居者、患者と直接接触する医療従事者を対象にブースター接種を開始する。
 12月末からは、60歳から80歳までの者へのブースター接種を順次開始する。

【参考(蘭語)】
https://www.rijksoverheid.nl/actueel/nieuws/2021/11/12/boosterprik-voor-60-plussers-versneld-van-start

4.次回の政府発表
 政府は、12月3日(金)に、措置の再評価を行う予定である。

政府のコロナ規制に反対する大規模なデモ
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先週末から施行されているコロナ規制で、マスク着用やコロナチェックQRコードの提示などが義務付けられた。オランダのコロナ感染者数を見れば、この規制は適切で、他の欧州諸国に比べると開始時期は遅いし、規制もそれほど厳重ではない。それでもこの規制やワクチン接種に反対する人はいる。

7日日曜日、2万人から2万5千人の参加者がハーグに集まり、政府のコロナ規制に反対するデモを繰り広げた。デモ隊は中央駅そばのマリーフェルドを開始点に国会付近を行進した。警察隊が行進を誘導していたが、花火や爆竹以外の暴力などはなく終了している。

参加者の多くがプラカードや横断幕を掲げ、コロナ規制に対する反対や、ルッテ内閣の批判を表明していた。「愛、自由、反独裁者(ルッテ首相を指す)」というプラカードや「我々は嘘にうんざりしている」などの政府への批判が目立った。また行進ルートの電柱やゴミ箱に「メディア=ウィルス」、「コロナワクチン=毒」というステッカーが数百枚貼られていた。行進は問題なく行われたが、政府を批判する人たちの怒りが目立った。

デモは数十の団体がまとまった「オランダのための共生」という団体が組織している。

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