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人との距離1.5メートルは、スポーツ中には不十分
コロナウィルス感染を防ぐため、オランダでは人との距離を1.5メートル開けることが義務付けられている。しかしこの距離ではくしゃみ・せきなどによる飛まつ感染を必ずしも防げないという研究結果が発表された。オランダのアイントホーフェン工科大学とベルギーのルーベン大学の共同研究の結果だ。

飛沫の飛翔距離を測定したところ、横並びでスポーツする場合には4−5メートルの間隔を開けないと意味がない。また自転車やジョギングの際も10メートルから20メートルの間隔が必要だと、実験に関わったルーベン大学のブロッケン教授が語った。この間隔はコンピュータによるシミュレーションから算出されたものである。

日常の行動では1.5メートルの間隔は感染を防ぐには十分だが、スポーツ中には呼吸や咳・くしゃみなどが飛ぶ距離が長くなるため、距離を十分開けることが必要だという。これは、スリップストリームと呼ばれる現象によるもの。スリップストリームとは、移動している人のすぐ後ろにできる領域のことで、いわば空気を少しだけ伸ばしているような状態を引き起こす。こうしたスリップストリームは自転車競技者の間では知られている現象だが、歩いたり走ったりしている人の後ろにも発生する。


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花粉症とコロナ感染を見分けるには?
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今週から気温が急上昇し、花粉が舞う季節が始まった。花粉症の人にはつらい季節である。とくに今週からハシバミとハンノキの花粉が放出されそうで、空気中の花粉量が急増するらしい。オランダには花粉レーダーhooikoortsradar.nlというサイトがあり、地域ごとの花粉の量を表示している。このサイトによるとオランダ南部では花粉が増えており金曜日ぐらいまで空気中に含まれるようだ。

花粉症の症状はコロナ感染の症状と似ているところが多い。鼻水やくしゃみといったコロナ初期の症状である。国立衛生研究所(RIVM)によれば、この時期毎年同じような症状が出る人は、おそらくコロナ感染症ではないという。ただし不確かでない場合にはコロナ検査を受けたほうがいいとRIVM。

くしゃみも花粉症とコロナ感染では様相が違う。花粉症の場合には鼻から花粉が取り除かれればくしゃみは止まるが、コロナ感染では止まらない。同じように嗅覚や味覚の損失も、花粉症の場合は鼻詰まりが原因なので、鼻スプレーをすれば解消することが多いが、コロナの場合にはスプレーの効果がない。

花粉症を治す薬はないが、症状を軽くする薬はある。ワーヘニンゲン大学の免疫学教授のSavelkoul氏によれば、「特定の花粉にアレルギーがある人は、その花粉が発生する前に薬を飲んでおく。症状が出るまで待ってはいけない。」という。

ハイネケン、コロナによる営業不振で8000人解雇
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コロナ危機は世界的なビール醸造メーカーであるハイネケンにも大きな打撃を与えている。ロックダウンによる飲食店閉鎖や営業時間短縮などで、昨年度の利益は49%減少したため、コスト削減目的で全世界の従業員者の10%にあたる8000人を解雇すると発表した。また今後の展望も明るくない。世界各国でハイネケンビールが販売されている飲食店のうち、オープンしているのは30%に満たないという。この状況が改善されるのはおそらく今年の後半になりそうだと、ハイネケンは予想している。

同社の純利益は2019年の25億ユーロから2020年には12億ユーロへ転落した。49%の減少である。売上は197億ユーロと12%の下落だ。このためコスト削減を目指すハイネケンは人件費削減のため8000人の解雇に踏み切った。
ハイネケンビールの売上は8%減少したが、ノンアルコールビールの売れ行きは伸びているという。また飲食店の閉鎖で、スーパーマーケットやオンラインでの売上も伸びている。

営業不振にもかかわらず、ハイネケンはコロナ危機で損害を被った飲食店の援助をしている。ハイネケンを扱う店舗の家賃の補填だけで5000万ユーロを援助。また、2300万ユーロを赤十字や医療関係者へ寄付している。

コロナ太りは銀行預金でも、貯蓄が増大
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オランダ中央銀行によると、昨年1年で個人の預金高は420億ユーロに膨らんだ。一昨年2019年の2倍である。経済の先行き不安もあるが、ロックダウンにより消費ができなくなったいう事情がある。外食や旅行にも行けず、新しい服を買う気持ちにもなれないロックダウンで、給与生活者の預金は膨らむ一歩だ。
この420億ユーロのうち20億ユーロは普通口座に置きっぱなし、21億ユーロはいつでも出金できる定期預金、そして残りが投資と借金返済に使うという。

1年間にこれほどの貯蓄があったというのを過去を振り返ってみてもあまりない。2019年の200億ユーロも過去の100億ユーロ前後と比べると多いほうである。中央銀行はこの増大をコロナ効果だと見ている。「政府の財政援助もありほとんどの人の所得は安定していたのと、先行き不安とロックダウンで消費が激減した。」と分析している。

一番貯蓄額が増えたのは5月。オランダ人が休暇手当をもらう月だ。バカンスに行かれないので受給額はそのまま貯蓄にまわったというケースが多い。ただロックダウンが緩和された7月から11月には消費は増大している。また12月もロックダウンに関わらず、シンタクラースやクリスマスのプレゼントや食事などで財布の紐は緩んだ月だった。ただ、給与生活者ではない個人営業の人や飲食業などロックダウンによる損害を被った人にとっては、金銭的に厳しい年となった。

新型コロナウイルス関連情報(現在のロックダウン措置の更なる強化等) 2021-1-20
本日20日(水)午後2時より、ルッテ首相及びデ・ヨンゲ保健・福祉・スポーツ大臣が記者会見し、新型コロナウイルス対策に関して昨年12月15日(火)から実施されているロックダウンの措置に関連し、同措置を強化することなどについて発表しました。
 この発表に関連し、オランダ政府がホームページ上に具体的な内容を公表しておりますので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。
 なお、詳細は、「 https://www.rijksoverheid.nl/actueel/nieuws/2021/01/20/lockdown-verder-aangescherpt-vanwege-zorgen-om-nieuwe-virusvarianten 」(蘭語)をご参照ください。

1 追加対策の背景及び目的
(1)政府は、これまでのものと比較して、感染力の強い英国型新型コロナウイルス変異株について非常に懸念をしている。また、懸念を引き起こす他の変異株も存在する。これらの新たな変異株をコントロールするため、追加対策が必要である。

(2)追加対策の目的は、現在の感染レベルを下げ、現在流行しているウイルスと新たな変異株のウイルスの拡散を遅らせ、新たな変異株の流入を可能な限り最小化することである。これにより、新たな変異株が優勢になるのを可能な限り遅らせることができる。さらに、医療機関が今後数か月間、新型コロナウイルス患者のための余剰を維持し、他の医療を可能な限り継続できるようにするためにも重要である。
(注:記者会見の質疑応答では、措置緩和として最初に検討されるものとして、夜間外出禁止及び小学校の閉鎖である旨の言及がありました。)

2 追加対策の内容
(1)夜間外出禁止
○政府は、下院の承認を経た後、数日以内にオランダ全土での夜間外出禁止を導入する計画である(注:記者会見の質疑応答では、仮に下院が明日(1月21日(木))、承認する場合、同措置は、1月23日(土)、若しくは、24日(日)から開始され得ると言及がありました。)。その意図は、午後8時30分から午前4時30分まで人々を屋内にとどまらせることである。有効な理由なしに、夜間外出禁止の間に外出することは禁じられる。下院の承認後、詳細が公表される。夜間外出禁止は、原則として、2月10日(水)午前4時30分まで適用される。
○以下の場合、例外に該当する。
・緊急事態の場合。
・自分自身、サポートを必要とする者、若しくは、動物が、緊急に(医療の)支援が必要な場合。
・雇用主が業務のために外出することを要求する場合。
・自身が海外へ渡航する場合、若しくは、オランダへ戻る場合。
・葬儀に関連して外出しており、それを証明できる場合。
・裁判官、検察からの召喚、もしくは、異議申立てや控訴の審理に関連して外出しており、それを証明できる場合。
・リードを付けた犬を散歩する場合。これは一人で行うこと。
○外出が必要である場合、自己宣言フォーム(注:現時点で、該当ページにフォームは掲載されておりません。)を持参しなければならない。仕事で外出する必要がある場合、雇用主によるステートメントを提示する必要がある。いくつかのケースにおいては、フォームを必要としない。詳細情報は、該当ページ( https://www.rijksoverheid.nl/onderwerpen/coronavirus-covid-19/avondklok )を参照のこと。
(注:記者会見の質疑応答において、取締りは厳格に実施され、警告が行われることはなく、違反者には即座に95ユーロの罰金が科される旨、さらに、書類を偽造した場合、犯罪であり、より厳しく罰せられると言及がありました。)

(2)追加的な渡航制限
 以下のア~ウの3つの措置については、1月23日(土)午前0時1分から実施される。

ア フライト禁止措置等
○英国について、フライト禁止及び船舶の停泊禁止を適用する。
○フライト禁止は、南アフリカ、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、フランス領ギアナ、ガイアナ、カーボ・ベルデ、パナマ、パラグアイ、ペルー、スリナム、ウルグアイ、ベネズエラからの旅客便にも適用する。
○この航空機の乗り入れ禁止は、現時点で、最大1か月間、若しくは、旅行者に対する強制的な検疫が法的に規定されるまで適用される。

イ ハイリスク地域(注:1月20日(水)時点では、日本は安全な国に指定されています。)からのすべての旅行者に対する迅速検査提出義務化
○ハイリスク地域から航空機又は船舶でオランダへ到着するすべての旅行者は、オランダへの出発直前に実施された陰性の迅速検査結果を提示する必要がある。この検査は、搭乗から遡って4時間以内のものである必要がある。迅速検査は、空港や港周辺のどこでも実施できるわけではないため、二重の検査義務を課すことにより、実質的にオランダへの渡航を減少させることになると期待される。
○陰性の迅速検査結果の提示は、既に義務付けられている陰性のPCR検査結果(到着から遡って72時間以内のもの。)の提示に加えて行われる。
○これらの措置は、オランダ領カリブ海領域の旅行者にも適用する。
○ハイリスク地域からの旅行者は、オランダ到着後、10日間の自己検疫を行わなければならない。なお、到着から5日後、検査を受けることも可能である。このPCR検査の結果が陰性の場合、検疫は終了する。

ウ 入国禁止の例外リストの見直し
○政府は、EU域外の国から渡航する旅行者に対する入国禁止の例外リストを見直すことを決定した。これにより、ビジネスを目的とした渡航者、学生、高度なスキルを有する移民、文化・クリエイティブセクターの専門家、短期滞在を目的とする遠距離恋愛者等はオランダへの入国が禁止される。

(3)自宅への訪問制限の厳格化等(注:最短でも2月9日(火)まで実施。)
○自宅へ客を招く場合、1日あたり、13歳以上の訪問客は1名までとする。
○さらに、1日に1度までの訪問とするよう要請する。
○自宅勤務について、再度、強く要請する。

(4)自己隔離の義務化
○新たな変異株に関し、隔離ルールに従わないことは、ウイルスの拡散リスクを拡大させるため、政府は、隔離ルールを義務化する方策を検討している。オランダへの渡航者を登録し、自己隔離中の人に電話をかけるなどの対応を検討している(注:記者会見の質疑応答では、ランダムに実施される旨の言及がありました。)。今後、詳細が発表される。

(5)葬儀
○政府は、Outbreak Management Team(OMT)(注:政府に対して勧告を行う専門家会議)の助言を踏まえ、葬儀の参列者数の上限についてのルールを調整する。1月25日(月)から、葬儀の参列者数は最大50名までとなる。

ロックダウン、厳しいのはオランダだけ? 欧州他国でのコロナ規制
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感染者数の減少が十分でないため、昨日オランダは3週間のロックダウン延長を決定した。しかし同じように感染者が多い他国でも必ずしも厳しいロックダウンを行っているわけではない。コロナウィルス撲滅対策は各国で異なる。厳しい規制が敷かれているのは、イギリスとドイツそしてオランダだ。

■ベルギー
ライト(軽い)ロックダウン。店舗はオープンしている。
学校も通常通り
10万人あたりの感染者数13.7人

■イギリス
全土でハードロックダウン(オランダと同様な措置)
学校は、障害児と両親がエッセンシャルな仕事をしている子供たちのみに開校
10万人あたりの感染者数 593人

■ドイツ
ハードロックダウン
ほとんどの学校が閉校
10万人あたりの感染者数 167人

■フランス
夜間外出禁止。店舗は通常通り開店
学校も開校
10万人あたりの感染者数 192人

■イタリア
ロックダウン無し。飲食店はオープン。ただし週末だけ軽いロックダウン
小学校はオープン
10万人あたりの感染者数 200人

■スペイン
夜間外出禁止。一部(マドリード)など閉鎖
ロックダウン無し。飲食店も条件つきでオープン
10万人あたりの感染者数 108人

ちなみにオランダでは過去1週間の感染者数は200名程度である。