11月にオランダ全土の病院でスト

より良い労働条件を求め、オランダ全土の病院で働く従業員が11月20日にストを決行する。ただし救急医療に関しては例外である。労組は給与の5%引き上げと特別手当のほか、看護・介護を行う従業員の負担軽減を求めている。とくに介護分野では重労働のために離職率が高いため、魅力ある職場にするための工夫や手当が必要だとしている。

病院労組に加盟している人は全国83の病院と30のリハビリ施設で働く20万人。大学病院に関してはこの労働協定は適用されない。労組とオランダ病院連盟(NVZ)との間の交渉はすでに長い間続けられているが、最終の交渉結果では2020年と2021年の給与の4%引き上げが決定している。労組はこれに同意していない。NVZ側は、同意がなければ従業員の医療保険費負担をカットするとしており、こうなると従業員の医療費負担が年間で数百ユーロ上がることになる。

高齢者や慢性病患者の増加により、病院の費用はうなぎのぼりである。コストの半分以上が人件費が占める状態で、病院運営も財政的に難しくなっている。NVZのメルカート会長は8月に政府に対し、従業員の給与引き上げのため2億ユーロの予算追加を要請した。しかし医療担当のブラウン大臣はこの予算はないと拒否している。