スーパーマーケット, 孤独な高齢者のための「おしゃべりレジ」を設置

1日中誰とも話さない高齢者はオランダでも少なくない。スーパーマーケットはこぞって孤独な高齢者が人々と会話できるようなサービスを始めている。オランダのほとんどのスーパーマーケットには無料でコーヒーが飲める「コーヒーコーナー」が設置されているが、これも孤独な人々に他人と接する機会を提供するのが目的だ。ユンボ(Jumbo)のブラバント州フレイメンの店舗では「おしゃべりレジ」を新規に設置した。スピードを追求するレジでは、なかなか店員と話す時間もないが、このレジでは高齢者がゆっくりとレジ店員と会話を楽しめる。急ぎの人はこのレジに並ばずに通常レジに行けばいい。

このスーパーではコーヒーコーナーでもおもしろい試みを実施している。コーヒーやお茶を飲みながら「ヘルプ募集フォーム」に記入できるのだ。例えば「家の電球を取り替えてくれる人」や「話相手になってくれる人募集」といった小さなヘルプである。このコーナーではボランティがやってきて高齢者とおしゃべりもする。ユンボではこの店舗の試みがうまくいけば他の場所にも拡大する意向だ。

ブレダにあるスーパー「アルバートハイン」でも孤独な高齢者のためのサービスを行っている。各店舗が高齢者基金(Ouderenfonds)と協力しイベントを企画。例えばイースターにブレダにある大教会に200名の高齢者をブランチに招待したり、店内で高齢者がケーキを焼くといったものまで大小様々な企画である。どちらのスーパーも、こういった高齢者サービスは利益にはつながらないが社会奉仕として行っている。もちろん「気持ちよく」買い物ができれば長期的には売上に反映されると担当者は述べている。