オランダ、仏ロスチャイルド所有のレンブラントを購入か

フランスとオランダが権利をめぐって対立するのは珍しいことではない。数年前にはロスチャイルド家が売り出したレンブラント作の「マルテンとオープエン」を、オランダが購入するもののフランス政府の横槍がはいり、最終的にアムステルダムの国立美術館とパリのルーブル美術館が共同購入、交代で展示することになった。オランダKLMとフランスのエアフランスの対立も続いており、今年の2月にはオランダ政府が密かに株を買い増ししフランス政府の持ち分と同様になった。さて今回はロスチャイルド家の係累が所有するレンブラント作品「旗手(De Vaandeldrager)」をアムステルダム国立美術館が購入計画だという。フランスのオンライン・アート・マガジン「La Tribune de l'art」が伝えている。

1636年作のこの絵画は1億6千500万ユーロという値札がついている。このマガジンによれば、黄色いベスト運動などで国内情勢がフアンなフランス政府にはこの購入は論外だという。それよりもノートルダム聖堂の修復に簡単に財布の紐をゆるめたフランスの億万長者たちにアプローチすればいいのだとマガジンの主催者ライクナー氏。
ライクナー氏によれば、アムステルダム国立美術館が1億6500万ユーロで購入意欲を見せているという。ただし輸出許可という壁がたちはだかっており、購入期日の6月19日までにフランスの美術館がこれを買ってしまう可能性もある。輸出許可がおりなければ、国立美術館はこのレンブラント作品は購入できない。今回も同じような問題に遭遇する可能性は低くない。

La Tribune de l'art