英国EU離脱で、駐在員ヘルプビジネス大ブームに

英国のEU離脱(ブレクジット)でオランダ企業が莫大な財政的損失を被る一方、これをチャンスと見る会社がオランダで急増している。英国に本拠を置いていた企業がすでに数十社オランダへ拠点を移しているが、移転してきた従業員のために住居や学校などの世話をするビジネスである。

この駐在員(エキスパット)のためのビジネスは、ゴミの出し方から学校の選び方そして住居探しといった手伝いを行うもの。さらにこういった実務的なヘルプから、誕生日には自分でケーキを職場や学校に持っていくといったオランダの習慣までも教えるという。

ビジネスは盛況だが、実際には忙しすぎるといった問題も抱えていると、エクスパット・ヘルプのフレムダー氏。2014年にはこのような駐在員を助けるビジネスとして商工会議所に登録していた会社は301社あった。それが現在では590社とほぼ倍増している。会社が増えたにもかかわらず、英国のEU離脱で仕事は増える一方。週に60時間から70時間働くのはざらだという。アムステルダム市はイギリスに本拠を置く企業の誘致に熱心で、これも拍車をかけている。

オランダでの住居探しも平均60日と大変だが、外国人の子供のための学校探しはこれに輪をかけて困難である。多くの学校が満員であり、空き待ち状態だという。

こういった外国人従業員向けビジネス(エキスパット・ビジネス)のブームはいつまで続くのだろうか。ブレクジットが一段落し、拠点のオランダへの移転そして外国人のオランダへの転勤といった大移動が去った後はおそらくこのビジネスも冷える可能性が高い。とくに小さな企業は消え去り、大きなエキスパットビジネス企業が生き残ると見る向きが多い。