オランダで起業

ポートフォリオ・ニュースではオランダで起業したかたがたを定期的にインタビューしてご紹介しています。自薦他薦を問わずご興味のあるかたは、info@portfolio.nlまでご連絡ください。

出産ドゥーラという天職をオランダで得た朝倉麻耶さん

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朝倉麻耶さんは、ちょっと耳新しい職業である「出産ドゥーラ」というお仕事をやっています。出産ドゥーラとはいったいなんなのか、そしてどのようにしてこの仕事を始めるようになったのか、などをお聞きしました。 P:ポートフォリオ、A:朝倉さん

P: まずこの出産ドゥーラについて教えてください。

A: 出産ドゥーラというのは、女性の妊娠中から出産・産後までの期間、母親に寄り添い、日常生活をサポートする産前産後ケアの専門家です。オランダでは助産婦や産科医そして産後ケアのクラームゾルフ*など出産の前後のケアは完備していますが、それとはまた別に、妊婦そして母親に寄り添い精神的、肉体的なサポートをするというものです。

P:もうちょっと具体的に説明していただけますか?

A: はい、わかりにくいですよね。例えば妊娠20週目ぐらいから妊婦さんといっしょに出産プランというのをたてます。もちろん助産婦さんや医師と相談してもいいのですが、それとは別にどんな出産を希望しているのかを聞いて妊婦さんの側にたったプランをたてまるのです。例えば出産時の痛みに耐えられないときには無痛分娩を希望するのかどうかなどをいっしょに考え、これを医師などに伝えます。妊婦さんの検診にも何度か付き添い、担当医や助産婦と面談しておきます。ドゥーラはいつも助産婦、産科医、そして妊婦さんのパートナーと連携をとっていますので、独り歩きすることはありません。分娩中には、アロマオイル、フットマッサージや指圧などをして痛みを和らげたりするのもドゥーラの役目です。産後はクラームゾルフ*さんの期間後に必要に応じてサポートを行います。ハーブバスに浸かるなど一人の時間をつくってあげたり、体型を戻す為に骨盤絞めをするなどです。とくに、出産に関しては助産婦さんや産科医に押し切られることが多々あるのですが、妊婦さんといっしょによく考えてから、それを伝えるということもやっています。ドゥーラは妊婦さんが希望するお産が出来るように全面的に支えます。

P: なるほど。妊婦さん、とくに海外で出産する人にとっては不安を和らげる上、助産婦や医師とのコミュニケーションもスムーズにしてくれる存在なのですね。朝倉さんは、どんなきっかけでドゥーラになろうと思ったのですか?

A:ドゥーラの存在を知ったのは2年前です。オランダに2003年に留学目的で来て、ハーグの大学院で女性の権利について勉強しました。卒業後パートナーに出会い子供を2人授かったのですが、今後自分はいったい何がしたいのか、何をすべきなのかで悩んでいました。それが、2年前に偶然にテレビでドゥーラに関する番組を見て、「自分が妊娠するの好き、妊婦の大きなお腹見る(触る)のが好き、新生児大好き。妊婦さんが幸せな妊娠生活送れたらいいな。そんな手伝いが出来るなんて、素敵。ああ、これが私が長い間求めていたものなのだ。」と啓示めいたものを得たのです。それからすぐにドゥーラ養成コースを見つけ勉強を始めました。ドゥーラの勉強は学校だけでなく実地経験も必要です。本格的に開業するまでは、ボランティアで難民のためにドゥーラとして働いたりしていました。今でもドゥーラはこれから一生やっていける天職だと思っています。以前、ドゥーラとして妊婦さんのお世話をしながら出産に立ち会わせていただいたときに『是非へその緒を切ってください』とおっしゃっていただき、大変光栄な経験もあり、ずっと続けたいと思いました。

P:いいですね。とてもやりがいのあるお仕事だと思いますが、大変なことってありますか?

A:とても楽しい仕事なので苦に思ったことはありません。ただ、出産前は出産予定日前後数週間は24時間体制で対応するので、それが少し大変かもしれません。いつ呼び出しがあっても駆けつけられるようにドゥーラバッグはいつも準備万端です。

P:そのほか、ドゥーラとしてなさっていることってありますか?

ドゥーラはレボゾと呼ばれる南米の大きなストールをいつも用意しています。このレボゾというのはとても便利で腰周りをぐっとしめて痛み緩和や陣痛促進など、いろいろ使えるのです。このほかカッピング療法やお灸やフットマッサージもやりますよ。このほか、長いダンス経験を活かし、妊産婦さんむけに90分のダンスレッスンもやっています。ダンスをしながら骨盤を大きく開く方法など、これもレボゾを使用して習えます。ダンスはラテン、アフリカン、ベリーダンスなどのスタイルから妊婦さんに適した動きを取り入れています。

*クラームゾルフ(Kraamzorg)とはオランダの産褥ヘルパー制度で、毎日一定時間家庭訪問をして、産後の健康な母子のケアを行います。そのほかに時間があれば、掃除・洗濯・買い物などの家事も行います。オランダでは出産後入院しない代わりに、この制度があります。


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オランダ、正社員の女性のほうが契約社員より出産早く
高等教育を受けたオランダ女性は、正社員のほうが契約社員よりも子供を出産する年齢が低いことが中央統計局(CBS)の調査で判明した。言い換えれば女性は雇用が安定している正社員になるまで出産を待つということになる。これに対し中等教育のみの女性で見ると、この差は雇用形態でほとんどないことがわかった。

CBSは、2003年から2015年の間にパートナーがいて子供がいない18歳から45歳の女性を対象に、いつ子供が家族に加わるかを調査した。契約社員では調査後1年以内に子供を作るという女性は全体の13%、これに対し正社員は18%となっている。ちなみに仕事がない女性はこの数字は上がり19%。

CBSによれば、「一般に高学歴女性はまずキャリアを磨き、それから子供と考えるので、正社員になった時点ですぐに決断するようだ。」とこの差を分析している。これに対し学歴の低い契約社員は出産年齢が低い傾向がある。しかし、これにより貧困に陥る可能性が高まるとCBS。「低学歴の女性は安定やキャリアをそれほど重要視しない傾向がある。離婚率も高い。」という。シングルマザーになり生活保護を受ける女性の率も高い。

低学歴の契約社員における傾向は女性だけでなく男性にも当てはまる。このグループの男性は生涯をともにするパートナーを見つけるのが(高学歴男性に比べ)容易くない。これは女性が収入の安定した正社員男性を求めるからなのでは、とCBSは分析している。

労組CNVは、雇用形態が家族形成に影響を与えることに懸念を示している。次期政府ではこの問題について取り上げることを要望。契約社員は雇用が不安定であるだけでなく、家族そして社会的にも不安定であるため、雇用形態の改善を求めている。

オランダ、「自宅出産は病院での出産と安全度は同じ」新しい調査結果
オランダは伝統的に自宅出産が多い国だった。1990年には38%の人が自宅で出産していた。ところが2010年に、自宅出産での事故率が病院の産婦人科医立会の出産より高いという調査結果が発表され、自宅出産を避ける人が増加した。当時の調査では、自宅出産で出産時に子供が死亡する率は病院での出産の2.3倍であるとされていた。このため自宅出産率は減り2013年には18%にまで落ちた。
しかし今回、アムステルダムのAMC病院と自由大学付属病院(VUmc)の産婦人科医と助産婦が共同で行った調査で、事故率は病院でも自宅でも全く同じであることが判明した。

自宅出産が人気であるオランダは、先進国ではユニークな国である。合併症などがない妊婦は、わざわざ病院に行かずに助産婦の管理の元で出産するという優れた出産システムが確立している。この場合、出産は自宅あるいは日帰りのクリニックで行う。これに対し出産に危険が伴うと判断された妊婦は、病院で産婦人科医の立会いの元で出産する。この背景には「妊娠と出産は病気ではない。」というオランダ独自の考え方がある。

5年前の研究結果は、産婦人科医そして助産婦から実情を反映していないと批判されていた。今回サンプル数を拡大し80,000人の妊婦を対象に同じ調査を行ったところ、全く異なる結果が出た。調査対象は前回は合併症が最初から診断されている妊婦も含まれていたが、今回は特に問題のない妊婦のみという違いがある。

今回の調査対象者はアムステルダムに住む83289人の妊婦。このうち、自宅出産で出産時に赤ちゃんが死亡したのは、10000人に対し8件。病院で産婦人科医の管理の元では、この数字は8.4件となっている。

アムステルダムのスーパー内で出産、騎馬警官が立ち会う
昨夜18時ごろアムステルダムのプレトリウス通りにあるスーパー・マーケットで若い女性が突然陣痛を起こした。店員が緊急救助に電話をしたところ、最も近くにいた騎馬警官が馬とともに駆けつけ出産の手助けを行うという稀なできごとが起きた。騎馬警官は馬をスーパーの前につなぎ店内に入って出産場所を確保したが、その後数台の救急車も駆けつけ出産は無事に終わった。
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出産はほとんどの場合前もって時期がわかっているのでその前後に休暇をとればいいと、同団体。国の法律で定める問題ではないと述べている。


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