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環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)機密書類、グリーンピースがリーク
2日、オランダの環境保護団体グリーンピースは、これまで一般に公開されていなかった環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)の詳細をインターネットサイトで公開した。TTIPとは、アジアと米国の間で交渉が行われているTPPの欧州版で、両者間の貿易、投資、雇用、情報の行き来をより自由にするため、関税撤廃のほか各種規制の統一や非関税障壁の削減を目ざしている。

今回グリーンピースが漏洩した文書では農作物、食料や化粧品など欧州で規制あるいは保護されている業種で物議を醸している。食品の安全基準は欧州と米国では大きく異る。欧州でホルモン剤や化学物質の使用が制限されている物質の多くが米国では許可されている。化粧品の安全基準も欧州では厳しく設定されている。欧州のワイン業界では、シャンパーニュ、シャブリ、ポルト、キアンティなど生産地に基づいた名称は他の生産地では使用が禁止されているが、これを米国内でも制限したい意向。

TTIPの賛同者は、自由貿易協定は経済の活性化に貢献するとしているが、反対者は食品などの安全性に懸念を抱いている。TTIP書類は機密扱いで、閲覧できるのは政治家のみ。コピーや写真による複製も禁じられている。今回のグリーンピースによる漏洩で多くの内容が明るみに出た。


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日本のTPPにあたるTTIPとCETAに反対の大規模デモ、アムステルダム
アジアのTPP(環太平洋経済連携協定)の欧州版であるTTIP(大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定)とCETA(EUとカナダ間の協定)に反対する大規模なデモが、土曜日アムステルダムで行われた。この協定に反対を唱えている消費者連盟、労組(FNV)、グリーンピース、環境保護団体、フードウォッチの率先で8000人近くがこのデモに参加した。
オランダでは、EUと米国の間の貿易協定(TTIP)そしてEUとカナダの協定(CETA)に対し、食の安全性、環境保護の立場から反対を唱えるだけでなく、失業者の増加や労働者の権利の奪取という懸念を抱く人は少なくない。

他の欧州の都市でもTTIPに反対するデモが土曜日行われた。ドイツのベルリンでは約15万人が参加という大規模なものだった。また同じくドイツのミュンヘンでも3000人が集まった。ベルギーのブリュッセルでは2000人、マドリードやヘルシンキでも1000人が参加した。

ドイツに続きオランダもTTIP交渉の公開を要求
欧州委員会が環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)交渉の詳細を公開しないことについて、オランダ政府は党派を超えこれに抗議、公開を要求している。TTIPとはアメリカとヨーロッパ連合が締結を目ざして交渉している自由貿易協定。両者間の貿易、投資、雇用、情報の行き来をより自由にするため、関税撤廃のほか各種規制の統一や非関税障壁の削減を目ざしている。英語名の頭文字をとってTTIPと略してよばれる。大西洋版、あるいは欧米版のTPP(環太平洋経済連携協定)である。オランダでは消費者団体などから食品安全基準や生産者への影響を危ぶみ、反対する声が高い。

欧州委員会の担当委員であるセシリア・マルモストロム委員が先週発表したところによると、欧州委員会は、次回の米国との交渉の詳細な報告書を加盟国に送らないという決定をした。代わりに、ブラッセルの欧州委員会本部にある特別室で閲覧できるようにするという。ただし、この閲覧室では、報告書の内容を書き取ったり、写真を撮ったりすることが禁じられる。交渉経過の機密漏えいを防ぐという理由からだ。すでにドイツではこの秘密主義に対し「加盟国を代表して交渉に臨んでいるはずのEUがひとり歩きしている」「EUの決定は逆効果」であると、反対している。オランダの議員らはこの措置に怒り、食品安全に関する消費者団体の「フードウォッチ」も「民主主義に対する攻撃」だと抗議している。ちなみに、この交渉内容を非公開にし、関係国は特別な部屋でしか内容を見ることができないという過剰なセキュリティ方式はアジアのTPP交渉でも同様であるという。

野党だけでなく与党である自由民主党(VVD)もTTIPに関する交渉内容はオランダ政府に報告されるべきと憤りを隠さない。交渉のデッドラインである2015年末にはすでにもう間に合わない時期に来ている。締結が遅れると、欧州には一歩譲っているオバマ大統領の任期は終了し、交渉はさらに難航する可能性が高い。